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  太 刀   銘  吉 房


 
    たち めい よしふさ

 

    国(旧法認定) 重要美術品                 認定年月日 : 昭和11年 9月12日



   高知県高知市  ・  (個人)



   吉房(よしふさ)は、鎌倉中期「における備前(岡山県)の福岡一文字派の代表工である。
   時代は宝治(1247)のころといわれる。
   本刀は、刃の長さ69.2cm、反り2.4cm、目釘孔(めくぎあな)は2個である。 幅があり、元と末(すえ)の幅の差が少なく、
  切先(きっさき)は少し猪首(いくび)となる。 杢目鎬地(もくめしのぎじ)より地刃(じは)へかけて美しく流れ、刃文(はもん)は足の
  深い丁字(ちょうじ)乱れで、匂いが深く、刃の中は賑やかに匂足(においあし)が入り、葉(は)があって働きは見事であり、
  地(じ)には乱れが映り立ち、鋩子(ぼうし)の刃はゆるやかに乱れ込んで少し返る。 この時代の一文字派の特色を顕
  著に表している。
   銘の字は少し小振りの方で、2字に吉房(よしふさ)と古雅(こが)な銘がある。
   本刀には、葵紋(あおいもん)を散らした糸巻太刀拵(こしら)えが附属している。