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大 毘 盧 遮 那 経 ・ 金 剛 頂 経


 
   だいびるしゃなきょう ・ こんごうちょうきょう

 

   重要文化財 (美術工芸品 −典籍−        指定年月日 : 昭和43年 4月25日



   高知県室戸市元 金剛頂寺  ・  金剛頂寺
         


   真言宗では、『大毘盧遮那経』 (『大日経』ともいう)7巻と『金剛頂経』3巻を両部(金剛界と胎蔵界)の大経として
  重要視する。
   金剛頂寺の両経は、この大経の古写経で、ともに表紙、料紙、筆者など同一の一具経である。巻子装、表紙に
  銀地にて経・巻を記し、軸は原装とみられる黒漆切軸を使っている。
   本文は正階にて書写されているが、その書風に平安時代初頭9世紀後半の風がそなわり、いわゆる大師流の
  筆法の特色を示している。
   寺伝では弘法大師将来経と伝えられ、『大毘盧遮那経』の継ぎ目紙背に朱方印「□□大師経籍」とある。この
  □□の2字が明確でなく、この解読によっては本経の成立以来の大きな手掛かりになると考えられる。
   金剛頂寺は、四国八十八ヶ所霊場第二十六番札所である。