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木 造 阿 弥 陀 如 来 坐 像


 
   もくぞうあみだにょらいざぞう

 

    高知県保護有形文化財 (美術工芸品 −彫刻− )     指定年月日 : 昭和47年 5月 6日
 


   高知県宿毛市宇須々木 円覚寺  ・  円覚寺
         


   像高84.8cm。
   右手をまげて第1、2指を捻(ねん)じ、左手は膝の上において第1、2指を捻ずる上品下生(じょうぽんげしょう)印を結び、
  衲衣(のうえ)を偏袒右肩(へんたんうけん)につけて右肩に祇支(ぎし) をかけ、右足を上にして結跏趺坐 (けっかふざ)する。
   ヒノキの一木造(いちぼくづくり)、彫眼(ちょうがん)の漆箔(しっぱく)像で、体部は肉付きがよく肥満体につくられ量感に富む
  が、衣文(えもん) 線の彫り口は形式化し粗放なところがある。 古様(こよう)を残す像であるが、近世面相を彫り直し、両
  手先を補い、肉身部に厚手の下地をほどこして粗悪な漆箔を押したため、ひび割れをおこし、腹前が剝落(はくらく)する
  など著しく像容を損なっているのが惜しまれる。
   県西南部における平安時代後期の古像として注目される。
   なお、本像は海流にのって漂着したのを当地の漁夫が引き上げたという。