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木 造 南 仏 上 人 坐 像


 
   もくぞうなんぶつしょうにんざぞう

 

    高知県保護有形文化財 (美術工芸品 −彫刻− )     指定年月日 : 昭和47年 5月 6日
 


   高知県四万十市中村 四万十市立郷土資料館  ・  四万十市坂本 香山寺(こうざんじ)
         


   像高82.0cm。
   頭部は円頂(えんちょう)で、法衣(ほうえ)の上に袈裟(けさ)をかけ、両袖や裳(も)の裾を膝まわりにひろげ、両手をまげて
  胸前に合掌して結跏趺坐 (けっかふざ)する。
   アスナロの寄木造(よせぎづくり)、玉眼(ぎょくがん)の彩色像であるが、いまは彩色が黒化して古色を呈する。 細面の顔
  に刻まれた目鼻立ちは弱々しく、額や鼻翼から口もとにかけて線刻されたしわは単調で精彩に欠ける。 着衣は厚
  めに表現され、衣文(えもん) 線は自由ではあるがのびに欠ける。
   室町時代の作。
   南仏上人は弘安年間(1279〜1288)、金剛福寺(土佐清水市足摺岬)の興隆に尽力した僧で、香山寺(こうざんじ)にも
  住んだと伝えられ、もと香山寺山の麓の南仏堂に祀られていたが、現在は四万十市立郷土資料館(旧:幡多郷土資
  料館)に保管されている。