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木 造 薬 師 如 来 坐 像


 
   もくぞうやくしにょらいざぞう

 

    高知県保護有形文化財 (美術工芸品 −彫刻− )     指定年月日 : 昭和50年 6月13日
 


   高知県安芸郡北川村和田 妙楽寺  ・  妙楽寺
         


   像高134.5cm。
   右手をまげて掌を前に五指をのばし、左手は膝の上において薬壺(やっこ)をとり肉髻(にっけい)を半円形に高くつくり、
  大粒の螺髪(らはつ)を切り付け、木製の白毫(びゃくごう)をはめ、衲衣(のうえ)は左肩をおおう偏袒右肩(へんたんうけん)で、
  左足を上にして結跏趺坐(けっかふざ)する。
   唇をつきだし、顎をひきしめ、両手の表現もかたくるしく、体部は豊満だが、なで肩で、衣文(えもん)は浅い。 頭部
  が大きく膝張にくらべて膝が高いこともあいまって不安定できゅうくつな感じを与える。
   ヒノキの一木造(いちぼくづくり)、彫眼(ちょうがん)の像で、いまは肉身部は漆箔(しっぱく)、衲衣は黒色を呈するが、いずれ
  も後補で剝落(はくらく) が著しい。
   寺伝では、治承3年(1179)とするが、その頃の制作とみて誤りはなかろう。