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短 刀   銘  吉 光


 
   たんとう めい よしみつ

 

    高知県保護有形文化財 (美術工芸品 −工芸品− )     指定年月日 : 昭和35年 1月16日



   高知県高知市  ・  (個人)
         


   銘文は、吉光の2字。 通称、土佐吉光。
   土佐の古刀匠(ことうしょう)としては文献に表れた最古の刀匠であるが、作品が完璧に保存されたものは皆無(かいむ)
  に近い。
   古書には時代を観応(かんおう)、文和(ぶんな)(1350〜1352)としてあるが、作品は概ね応永(1394)から室町時代の末
  期にかけてのもので、古書にあるように大和手搔(てがい)の鍛冶(かじ)である。
   長さ24.4cm、僅かに内反りとなり、厚さは元で1cm強、地肌は柾目(まさめ)で細か沸(に)え、焼境(やきざかい)少し離れ
  て棟角(むねかど)へかけて映りが美しい。
   刃文(はもん)は直刃(すぐは)で、切先(きっさき)は小丸(こまる)。 鞘(さや)は金梨地(きんなしじ)に定紋(じょうもん)を散らし、総
  金物(そうかなもの)の赤銅地(しゃくどうじ)に金定紋(きんじょうもん)を散らし、柄糸(つかいと)は白で両手巻にし鞘書(さやがき)
  御陣刀指添(ごじんとうさしぞえ)吉光とあり、九州相良家重大(さがらけじゅうだい)の名刀と伝えられる。