戻る

 

 
梵       鐘


 
   ぼんしょう

 

   高知県保護有形文化財 (美術工芸品 −工芸品− )     指定年月日 : 昭和59年 3月16日



   高知県南国市岡豊町八幡 高知県立歴史民俗資料館  ・  高知県
         


   高知城懐徳館に所在していた、総高57cm、口径35.5cmのやや小形の梵鐘である。
   身の中央の池の間の4区各区に次の如き刻銘がある。
   第1区「当社若一王子/常住/右為/城内安全領中/豊饒」、第2区「寄附者也/文明十二年庚子/十二月十
  八日/願主秦豊助」、第3区「大工秀介/別当敬白」、第4区「領主左近将監」。
   銘の「城内安全、領主豊饒」は、室町時代の梵鐘銘の極り文句、文明12年(1480)の梵鐘ゆえに、この文句がある。
  「常住」は仏教用語で常に在ること、「願主」はこの鐘を作ろうと願い立てた人で発起人、「大工」は鐘を作った人で、
  土佐の工人の可能性が強い。 そして、若一王子宮の神宮寺の別当が「敬白」を結び、土地の領主の名も刻して
  いる。