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鰐       口


 
   わにぐち

 

   高知県保護有形文化財 (美術工芸品 −工芸品− )     指定年月日 : 昭和59年 3月16日



   高知県高岡郡津野町姫野々 三嶋神社  ・  三嶋神社
         


   鰐口中央部にある撞座(つきざ)は円形素文で、2段作り、しかも中央にわずかな膨(ふく)らみを持たせている。
   この撞座を中心に二条圏線を3重にめぐらし、外部から銘帯(めいたい)、外区(がいく)、内区(ないく)と3区分している。
   肩は直角をなし、普通みる鰐口のように山形でない。 耳、目の高さは低く、目の高さのままの形で口を形づくって
  いる。 耳は両面式である。 鰐口の全体の形状は、胴のふくらみもなく、一般的な鰐口に比して、あっさりした形状
  で緑黒色の美しい光沢を持つ。
   銘文は銘帯になく、外区に持つ。 左に「建武五年三月八日」、右に「願主仲原国房」と刻する。
   県内在銘の鰐口では最古のもので、鎌倉時代の鰐口の様式を残している。
   建武5年(1338)は、南北朝における北朝側の年号である。