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   注  口  土  器   ( 高 土 )


 
   ちゅうこうどき (たかおかぐんくぼかわちょうしではらしゅつど) 

 

   高知県保護有形文化財 (美術工芸品 −考古資料− )     指定年月日 : 昭和59年 3月16日



   高知県南国市岡豊町八幡 高知県立歴史民俗資料館  ・  高知県
         


   高岡郡窪川町(現:四万十町)仕出原(しではら)の四万十川沿いの畑より、出土したものである。
   単独出土ではあるが、対岸からは打製石斧が数点出土したことがある。
   この仕出原出土の縄文土器は、縄文時代後期初頭のもので、瀬戸内の中津式土器に比定される。
   高さ10cmで、口縁部の外側に鍔(つば)状の隆起帯がめぐり、その外側に4個の波状突起がある。 注口は1つの
  突起の下にあるが、注口先端は欠損している。 胸部には沈線による不定形の文様があるが磨消(すりけし)縄文は
  持たない。 黄褐色をなし、土器の作りは厚手であり、所々に赤色塗料が付着している。 本来は全面に赤色塗料
  が塗られていたとみてよかろう。 胎土(たいど)中に石英・長石の砂粒を含んでいる。
   県内では、完形の縄文土器の発見は少ない。