どうほこ (なかむらしいしまるしゅつど) 高知県保護有形文化財 (美術工芸品 −考古資料− ) 指定年月日 : 昭和59年 3月16日 高知県四万十市中村 四万十市立郷土資料館 ・ 四万十市立図書館 四万十川の一支流中筋川の堤防造成工事の際に、昭和26年(1951)、1本の銅矛が発見された。 銅矛は、地表よ り深さ約1.5mの暗緑色の粘土層から出土した。 出土地は、中村市(現:四万十市)石丸と呼称される所である。 この銅矛は、全長75.8cm、穂部の最大幅は5.9cm、関(まち)部の最大幅は7.8cmである。 銅矛の基部に近い耳の 型式は扁平式耳であり、耳には小さな孔があいている。 耳と袋部(基部のこと)にある節帯(せったい)(段ないし線の あるところ)との位置関係は、耳の下部のふくらみと節帯とが対応しているものである。 以上の如き諸点から、この銅矛は県内では数少ない中広形銅矛の 式としなければならない。 また、四万十川流域の下流部では、銅矛の出土数が上流部に比較して少ない。