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土 佐 和 紙 ( 土 佐 薄 様 雁 皮 紙 )



    とさわし (とさうすようがんぴし)



   高知県保護無形文化財               指定年月日 : 昭和55年 5月13日



   高知県吾川郡いの町加田  ・  土佐和紙技術保存会



   伝統的製紙法による土佐和紙のひとつ。
   県指定土佐和紙5件のうち、この薄様雁皮(がんぴ)紙だけが、楮(こうぞ)ではなく雁皮を原料としているところに特色
  がある。
   じんちょうげ科の雁皮の樹皮は、繊維が細く短く、その製品はかたく光沢があり、墨汁ののりがよく染み込まない。
   薄様であるから、謄写印版紙として需要の多かった時代は盛んに手漉き生産されていた。
   雁皮は楮と違って、切った山で皮を剝(は)ぎ、ソーダ灰を加えて者熟する。
   純白になるのを避けるため、室内に引き込んだ流水であく抜きをし、微細な異物を取り除き、手打ちで叩解(こうかい)
  してトロロアオイの糊(のり) を加えて漉(す)く。
   竹簀(たけす)でなく、紗(しゃ)織りの紗漉きであることに特色がある。 染色料は使わない。