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校歌メロディー

北朝鮮を国境越しに「見学」

―初の海外修学旅行―

 赤いバスは検問で停車を命じられた。そこには、韓国軍・米軍共同運用の検問所がある。肩に銃床を折り畳んだ自動小銃ぶら下げた兵士がバスに近づく。兵士と一緒に私服のMP(ミリタリーポリス)もバスに近づく。 私服がバスに乗り込み、一人一人の首実検(顔を確認すること)を始める。生徒も各自のパスポートを差し出す。一人に十秒近くを費やす慎重な首実検が、北朝鮮との国境が近いことを感じさせる。
 暫く停車させられた後、ようやくバスは動き出す。道の両側には赤いマークの入った杭が数十メートル間隔で打ち込まれている。その杭の外側は、地雷原だとガイドはさらりと言う。さらなる緊張感が背筋を走る。

(写真左 肩に銃を背負い警備をする検問所のMP 検問所で警備をするMP。これから先に地雷原と南のDMZ限界線がある)

 今日は暖かいです、最高気温がマイナス3℃ですから

 1月19日松山空港を飛び立った、アシアナ航空機はソウル近郊のインチョン国際空港に滑り込んだ。 近年ソウルのキンポ空港から国際空港の地位を引き継いだ近代的な空港だ。

今回の修学旅行では三つのテーマを設定した。 一つは、近くて遠い外国と言われていた朝鮮半島の文化に接すること、二つ目は日本では感じることのできない、陸地の国境での緊張感と分断国家の現実を理解すること、最後に比較的 生徒に近い年代の日本語のできる韓国人学生ガイドと交流することを通じて若い世代の交流をはかることだ。

第一の目的が早くも現実のものとなる のには、時間はかからなかった。 初めての、外国、初めての入国審査、初めて聞く言葉に皆「異国」を感じた。韓州観光のガイド、ユ・へージョン(劉恵庭)さんが迎えに来ている。流暢な日本語を話す女性だ。バスを待つ間、生徒は建物の外へ出る が、 1分後には、建物へと戻ってくる。夕方のインチョン国際空港で生徒は−5℃と言う寒さを体験する。何もかもが初めての体験となる修学旅行の洗礼を寒さという形で受けた。

(写真 右 自由の橋に掲げられたプレート。分断国家の厳しい現実を物語る)

バスは、夕食場所である韓国レストランに向け異国の大地を走る。食堂の二階にはジンギスカン鍋に似たプルコギと言う韓国の伝統料理が用意されていた。 皆、初めての料理に緊張と期待が入り交じる。白菜キムチ、カクテキキムチそれにレタスに似たちしゃの葉が鍋の横に控えている。牛肉を鍋で焼き、韓国の甘辛いコチジャンを入れて焼く。 焼けた牛肉とモヤシキムチなどをチシャの葉で巻いて食べる。とてもうまい。

一日目はソウル市郊外のオリンピックパークに程近い八八年ソウルオリンピックのときに建てられた綺麗なホテルだ。 生徒はこの夜、韓国の庶民が日常生活を営むオンドルと言われる床暖房の部屋を体験した。

二日目、バスはソウルから北に向かう。北へ続く「自由の橋」で、赤い専用バスに乗り換える。DMZ(非武装地帯)直近まで唯一、一般観光客が近づくことの出来るツアーだ。 修学旅行生がこのツアーを体験するのは、たぶん高知海洋高校が日本の高等学校としては初めてだろうとガイドのユさん 。少人数ならではの修学旅行だからできたと、添乗員氏も言う。

(写真左  異国で初の夕食 プルコギ。機内食を食べた後だが、余さず食べてします。)

 

国境の向こうに北朝鮮が

 ドラ展望台に到着後、ヘルメットをかぶり第三トンネルへ行くリフトに乗る。第三トンネルは、冷戦時代に 38度線と言われる「国境」を挟んで北に2Km、南に2Kmにそれぞれ限界線がもうけられ、合計4Kmが非武装地帯(DMZ)と定められた。そのDMZを北から南に掘り抜 き、韓国領内の南限界線を越え数百メートルまで掘り進んだトンネルだ。現在は3カ所で遮断されている。第三遮断から非武装地帯の南限(限界線)までは、わずか百六十メートルだ。生徒はその地点まで、見学できる。トンネルの各所に北朝鮮は「石炭を掘る」ために掘ったトンネルだと主張する「証拠」と言われる石炭が貼り付けられている。

 ドラ展望台からは、間近に北朝鮮が見える。北朝鮮の宣伝用と言われる鉄筋アパート群が、何かもの悲しさを誘う。北の大地は冬と言うこともあり荒涼としている。人影は北の兵士も含めて全く認められない。皮肉なことにこの人の入れない非武装地帯が自然保護地帯の役割を果たし、現在では稀少動植物の宝庫となっているのだという。

(写真 右はドラ展望台。望遠鏡の向こうに北朝鮮=朝鮮民主主義人民共和国 の山並みが見える)

 

 

冬ソナブームに沸くソウル

 3日目 前日のDMZツアーの緊張からか、多少の疲れを感じる。この日は、班別行動だ。日本語のできる韓国人の女子学生を中心としたガイドさんが各班を班別に案内する。

 グルメツアーに出かける者、南大門市場(ナンデムン・シジャン)へショッピングにでかける者など様々だ。

 この中で、ある班は900ウォン(約90円)均一の地下鉄に乗り、もう一つの大きな市場、韓国ファッションの発信地、東大門市場を目指すが、時刻が早かったので、地下鉄を乗り継ぎソウルの「銀座」と言われている明洞(ミョンドン)に移動した。明洞の隣は南大門市場だ。小さな露天がならぶソウルの台所と言われるところだ。呼び込みのお兄さんや屋台で 「ヨン様」のキーホルダーを売るおばちゃんなどが、行き交う日本人観光客を日本語で呼び止める。

(写真上 新羅ホテルの屋上に冬ソナの写真が展示されている)

 昼食はガイドさんの案内でファミリーレストランに入る。500円(5000ウォン)前後で韓国のメニューが楽しめる。ある生徒は、前日食べたビビンバがおいしかったので、また、ビビンバを、また、ある生徒は檄辛韓国冷麺を汗をかきながら味わった。

 

室内施設に納得

 十四時半の新市街地にあるロッテワールドホテルロビーに集合する。ロッテワールドデパートとロッテワールドをグループでの自由行動が許されている。ここは、室内中心のディズニーランドに似た韓国の文化を意識したテーマパークだ。屋外施設もあるが、最高気温がマイナス 5℃打と言うことを考えるとなぜ、室内施設にしたのか納得できる。地下2階には、アイススケートのリンクがあり、1階の遊園地から見下ろすことができる。この施設は「食品メーカーのロッテ 」が経営しているのだと主張しているかのように地下1階には、ハンバーガーショップロッテリアが一番目立つ位置で、来園者を招いている。今の時期、韓国はまだ冬休みで、小中学生の団体が所狭しと アトラクションを楽しんでいる。

(写真 右上 ソウル京福宮での記念撮影)

 この施設はロッテワールドデパートとセットになっており、入場券を見せるだけで外出も出来、再入場も可能だ。生徒もブランド ものアウトレットの店などを回りブランド品運動靴を市場価格よりかなり安い購入した。

(写真 左 ロッテワールドで集合時間の説明をうけている生徒)

 4日目 5時起床、5時半ホテル発。キムチ店でキムチを購入する。キムチは生ものだけに最終日の購入だ。空港内での朝食後出国手続きを行う。9時50分仁川国際空港から一路高松空港に向かう。日本に近づくにつれ、多くの生徒は「アンニョンハセヨ」モードから「こんにちは」モードに切り替わる、数名、高知についても切り替わらない生徒がいたが。(高橋記)