あいさつ
市教研結成40年目を迎え,さらなる飛躍を
高知市教育研究会
会長 前田 志郎
はじめに,3月11日に発生した東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞いを申しあげます。発生から3ヶ月以上になりますが,巨大地震と大津波のため未だに復興へのめどもたたない状況に心を痛めています。一日も早く復興への道筋が見えてくるように祈るばかりです。私は,今回の大地震の映像を見て子どもたちの命を守ることの難しさを痛感しています。自分や仲間の命を守るということについて,いろいろな視点や方法を,児童・生徒,保護者,地域の皆さんといっしょに学習することが必要だと思いました。
さて,今年度からは,小学校で新しい学習指導要領が全面実施となりました。中学校は,今年度移行措置に入っていますので,来年度から全面実施となります。
新しい学習指導要領では,確かな学力,豊かな人間性,健やかな体といった知・徳・体のバランスのとれた力である「生きる力」をより一層はぐくむことがめざされています。
また,学習指導要領では,教科等の授業時数を増やし,基礎的・基本的な知識・技能の習得のため,社会や科学技術の進展等に伴い子どもたちに必要となる知識・技能についての指導や,つまずきやすい内容の確実な習得を図るための繰り返し学習の充実が図られています。また,思考力,判断力,表現力等の育成のため,各教科等の指導の中で,観察・実験やレポートの作成など,知識・技能を活用する学習活動の充実を図ること,教科等を横断した問題解決的な学習や探究的な活動を進めることが求められています。
高知県・高知市では,学力の向上,体力の向上等をめざして,2008(平成21)年度から授業改革に取り組み,今年が4年目の検証の年となっています。
学習指導要領の全面実施,学力向上プログラムや学習習慣確立プログラムにしましても,その実施には,私たち教職員の指導観や指導力が問われるものと考えます。
そのような時期ですので,自主研究・研修団体として市内全教職員が参加し,授業研究を中心にして研究・研修活動に自主的に取り組んでいる市教研の果たす役割がますます重要になってきています。市教研は,1972(昭和47)年から数えますと,今年で結成40年目を迎えます。また,高知市に所在する小学校・中学校及び特別支援学校の教職員をもって組織する自主的な研究・研修団体です。結成趣意書の精神を大切にして,さらに授業研究を中心に教科部会,教科外部会での研究・研修を積み重ねたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
2010年度は,皆様方のご協力で,5月,10月,1月の一斉研修日には,のべ52の公開授業研究が実施できました。その日までの事前授業研,または部会単独での研究授業をいれますとこの倍以上は実施できていると思っています。このように授業研究を通してお互いが主体的に「高知市の児童・生徒のために」を第一に考えて「自分たちの力量形成」に主体的に取り組んでいることは,他県にまねのできない歴史と伝統のある取り組みであると自負しています。この組織的な取り組みは他県から,高い評価を受けていると認識しています。今年度も,教科・教科外の各部会にご努力をいただいて高知市内全小中特別支援学校で公開授業研究ができますよう計画的な運営をお願いできたらと考えています。事務局長会でもお願いをしています。
また,その研究・研修の中身を充実させるためには,予算の裏付けが必要です。今年度も,財政状況がたいへん厳しい中での予算折衝でしたが,市教研の役割の重要さを市財政当局にもご理解をいただき,昨年度並みの予算額を補助してもらうことができました。
ここ数年,会費の値上げが議論されてきていますが,「今はその状況にない。」「補助金額の推移をみて判断しては・・・」等のご意見をいただき,会費値上げを見送ってきている経緯があります。しかし,補助金がいつ減額されても不思議ではない市の財政状況のようです。
そのような中での結果が,先ほど申しあげた通りの状況です。どこも予算をカットされている状況下での予算維持ですので,予算を大切に運用しながら,市教研の充実・発展のために努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
とにかく皆さんとともに「やって楽しかった,やって成長できたと思える教科・教科外部会」にしていきたいと思います。市教研の教科・教科外部会の自主研究に,「会員が集い,仲間意識と成長の喜びを感じる市教研」にしたいと思います。「生きる力」の育成を理念に掲げた1999(平成10)年版学習指導要領の告示から12年が経ち,今年度から2008(平成20)年3月告示の新学習指導要領には,再び「生きる力」の育成が引き継がれています。その学習指導要領が小学校から順次完全実施となっていきます。私たちが関わってきた子どもたちに本当の「生きる力」が身に付いてきているのでしょうか。そのことをしっかり評価しながら次の取り組みを構築する教科・教科外部会でありたいと考えます。
この春入学した1年生に「学校はどう」と聞いてみました。新しい生活で,子どもたちはずいぶん疲れているだろうと思いましたが,「ずっといたいくらい,学校たのしい」との声にほっとしました。この声が上級生までずっと聞こえる学校をめざしたいと思います。