校内研究

教育方針イメージ


1 研究主題    『自ら考え、ともに学び合う力を育てる学習方法の研究』

2 研究の方針及び重点目標
 ⑴ 複式授業の質及び指導力の向上
  ・自ら考え、学び合う力を育てる複式授業のスタンダード化を図る。
  ・複式授業の指導方法を研究し、授業の質及び指導力の向上を図る。
  ・児童が自ら考え、ともに関わり合いながら学び合う場面設定を組み込んだ授業づくり
   を進める。
 ⑵ 学習の基盤となる基本的生活習慣や自己肯定感の育成
  ・自己肯定感を育む。
  ・自他のよさを認め合い、ともに支え合う心を育む。
  ・望ましい生活習慣を身につけさせる。
   
3 研究主題設定の理由
 本校の児童数は、平成元年には200名ほどであったが、平成14年に100名を割ったことを皮切りに急激に減少しはじめ、平成20年の児童数が57名、平成25年が24名、平成27年度が17名となり、完全複式校となった。本年度の児童数は16名で、今後も児童数は微減傾向が続くものの、ここしばらくは14~10名前後で推移するものと考えられる。
このような状況の中で、本校の児童の学力向上を図るためには、複式授業の指導法を工夫し、教員一人一人の指導力を高める以外に方法はない。これまで、複式学級では、間接指導の時間があるため教師が与えたプリント等の課題をこなす学習が多くなりがちであった。そのため、単式学級の児童に比べて言語活動をともなう学習機会が少なくなる傾向がみられた。また、児童の学びも受動的になりやすく、学習リーダーを中心とした主体的・能動的な学習活動を行う機会が少なかったように感じられる。さらに、児童が能動的に活動する間接指導の必要性は意識されていたものの、継続した実践内容・方法の蓄積が乏しいという欠点が見られた。
 そこで、本年度は昨年度に引き続き研究主題を『自ら考え、ともに学び合う力を育てる学習方法の研究』とし、防災学習や算数科を中心に、少人数の強みを生かした授業づくりを進め、「児童自らが考え、学び合う力を育てる複式授業の方法」について研究・実践することにした。
児童が、間接指導での学習の流れやパターンを意識し、その流れにそった学習プランを児童自身が考えることができるようになれば、児童のメタ認知が有効に働き、課題に対して主体的に働きかける力や自ら学びを組み立てようとする力を伸ばすことができると考えられる。特に、学習リーダーの育成をとおして、友だちのことを考え、関わり合いながら学習を組み立て行く力を育てることで、協働して学ぶ態度の育成も図りたい。
 これらのことを意識した一連の学習活動が、自力解決力や児童の学び合いを高めることにつながり、より主体的・能動的に学習するようになると考えられる。

4 研究の組織
 ⑴ 校内研究推進委員会
  ○研究主題、研究計画、研究組織の取組内容等の立案・調整を行う。
  ○学習部、生活部の運営や計画の評価や連絡調整を行う。
  ○実践集録の原案作成、各学年のまとめをサポートする。
 ⑵ 全体研究会(職員会)
  ○研究推進委員会、部会から提案された内容について、議論・検討する。
  ○授業研究会をとおして、教員の指導力向上を図る。
  ○特別支援教育や児童理解を深める。
  ○個々の教員が参加した研修報告を行い、研修の学びを広げ、深める。
 ⑶ 学習部
  ○算数科の研究の方向性について提案し、具体的に研究テーマと結びついた教材化や授業
   実践に取り組む。
  ○授業研究に向けた具体的な検討の場とし、事前研究や授業研究会の運営を行う。
 ⑷ 生活部
  ○児童の基本的生活やその他の実態調査を行い、生活と学習の関係を明らかにしながら改
   善に向けて取り組む。
 ⑸ 校内支援委員会
  ○児童一人一人の実態把握や理解を進める。
  ○ユニバーサルデザインの授業づくりを進める。

6 研究仮説
 ⑴ 学習部
  ① 複式授業において、授業スタンダードを定着させ、児童が間接指導での学習の流れやパタ   ーンを意識するようになれば、課題に対して主体的に働きかける力や自ら学びを組み立て   ようとする力を伸ばすことができるであろう。
  ② 授業のねらいの達成に向け、学習リーダーを活用する授業展開を工夫すれば、児童の主体   的な学びや能動的な学びが促進されるであろう。
  ③ 児童の実態把握をもとにした複式授業の手法を活かした体育授業の改善と生活指導を行え    ば、児童に基本的生活習慣が身につくとともに、児童が運動の楽しさを感得し、体力の向   上を図ることができるであろう。

⑵ 生活部
  ① 日常的に子どもの自尊感情を育てる学級づくりについての情報交換や実践の交流を行えば   、児童の自己肯定感や自尊感情を高めることができるであろう。
  ② 縦割り班の活動を効果的に仕組むことで、役割や責任を自覚した異学年の関係づくりを行   うことができ、よりよい学校集団を育てることができるであろう。
  ③ 生活リズム調べを定期的に行い、基本的生活習慣の大切さを意識づけながら保護者への啓   発を行えば、児童の生活改善につながり基本的生活習慣を定着させることができるであろ   う。

7 研究・実践の方法
 ⑴ 学習部と生活部が、取り組み内容や現状についての情報交換を定期的に行いながら、連携し  た取り組みになるようにする。
 ⑵ 全校授業研究や講師招聘研修を研究の中心に位置づけ、指導を仰ぎながら、よりよい取組・  実践になるよう適宜評価を行い工夫・改善を進め、深まりのある研究にする。
 ⑶ 本校の課題改善につながる外部の研修にも積極的に参加し、研修内容を報告したり、実践に  活かす提案を行ったりする中で、OJTが働くようにする。

8 算数科の授業改善目標
 ⑴ 基礎的・基本的な知識・技能を活用した問題解決学習の工夫・実践及び教材開発
  ・活用することのできる知識、技能を習得する。
  ・知識や技能を活用するために必要な数学的な見方や考え方、メタ認知を身につけさせ
   る。
 ⑵ 自らの思考や感情を律する力や自己研鑽する力の習得をめざした学習指導の工夫。
 ⑶ 質の高い授業を保証するための検証改善サイクル(PDCAサイクルマネジメント)の整備  と授業評価の体系を構築する。


9 実践・取組の柱及び方向性
 ⑴ 授業スタンダードの確立
  ・習熟型授業(モデル) ・問題解決型授業(モデル) ・探求型授業(モデル)
 ⑵ 仲間(集団)づくりを基盤とした学級経営の充実
  ・学級目標を中核に据えた学級経営の実現
 ⑶ 基礎・基本の定着と活用力の育成
  ・児童一人一人の理解状況把握に基づく個に応じた指導
  ・言語活動
  ・学力調査の分析と活用
  ・授業評価と授業改善
 ⑷ 基本的生活習慣の確立
 ⑸ ICTの利用と活用
  ・ICTを利用した授業づくりの実践
 ⑹ 校内研究・研修の充実
  ・学校課題の解決に向けた実のある研究、研修の実施
 ⑺ 学校図書館教育の推進
  ・読書指導年間計画の作成と計画に基づく実践
 ⑻ 総合的な学習・キャリア教育の充実
  ・キャリア教育の視点を入れた授業実践
  ・外部人材、地域資源の活用
 ⑼ 保小中の連携

10 授業を支える資質・能力(土台)を育むために
  ○学習習慣の形成
   ・家庭学習の習慣化(家庭学習時間、復習・予習、個に応じた宿題、自主学習ノート)
  ○きめ細かな児童理解
   ・定期的な実態把握  
  ○基本的生活習慣の確立
   ・生活実態調査の実施
  ○仲間(集団)づくりの実践
   ・人間関係形成能力の向上  ・コミュニケーション能力の向上
  ○道徳・人権教育の充実
   ・道徳の時間、学級活動等を中心とした計画的な実践
  ○体育学習の充実と体力づくり
   ・指導計画の見直しと指導の工夫  ・日常の体力づくり
  ○健康・保健指導の充実
   ・日常の保健指導や衛生指導の工夫 ・保健、健康的な行事の充実
  ○食育・給食指導の充実
   ・食習慣の定着