茶運人形


 服を着た茶運人形だと、普通の人形にしか見えま せんが服を脱がしてみるとそのからくり技術の精巧 さに驚かされます。  またゼンマイ仕掛けの動力部分は当時「鯨のひげ」 を使っていたそうです。高さ40cm


 

「茶運人形」 半屋春光

 「茶運人形」茶汲み人形とも呼ばれ、大名、貴人或いは分限者の玩物(もてあそぶもの) として制作された。
 茶運人形は江戸時代のからくり人形としては、かなり早い時期に作られたと考えられる。
 ”茶をはこぶ人形の車はたらきて”
 これは井原西鶴34歳の時、独吟百韻の一句である。この年延宝3年(1675年)は かの竹田近江がからくり人形を作りはじめて約20年ほど経たころである。

 茶運人形は茶室で遊ぶように設計されており、畳一帖約170cmを往復するように作られている。 人と人形がやりとりするという発想は誠に独創的であり、世界に類を見ない物である。
 「機巧圖彙」に載る茶運人形は今日に至っても江戸時代に制作されたものの存在は確認されていない。 幻の人形たるゆえんなのである。





Tyakumi Ningyou