高知西高校SELHi最終研究発表会(平成18年2月17日)
「総合英語」の公開授業への質問と回答
【カリキュラム・授業方法など】
授業公開したのは英語科であり、学年に1クラスしかありません。したがって学年でこの教材でこの授業方法をとっているのは1クラスのみです。しかし、SELHi開始の15年度からは、基本的に1年英語科では同じ教材・方法をとってきました。
Q2 この形態でどの技能が最も伸びたと実感しますか?
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やはり長い英文に対する慣れです。模試や他の英語の授業で和訳のない長い英文を目にしても、長いというだけで怯むようなことはありません。
【家庭学習】
Q3 本日はこのレッスンの1時間目になっていましたが、予習として生徒はすでに和訳と英文を学習していたのですか? |
していません。今日の授業は4時間の中の1時間目ですから、薄く読んで内容をざっと理解することを目的としています。
Q4 T/F問題に答えるために生徒はどのような予習をしてきているのですか?
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何もしていません。T/F問題に正しく答えることが目的ではなく、英語を集中して聞く活動を通して内容に関するスキーマを与えることを目的としています。
Q5 渡される日本語訳に依存して予習を怠る心配はありませんか?
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日本語訳を完成したら終わりという授業がまだ多いようですが、私たちの授業では日本語ではなく英語そのものを使って定着を図ることをめざしています。日本語訳を完成することが最終目標ではありませんので、日本語訳をあらかじめ見ておきたい生徒がいても何の支障もありません。日本語訳を考えてくるという予習はありません。授業では質問に答えたり、読んだり、書いたりする活動が中心になります。
Q6 どの程度の生徒が家庭学習をしていますか?宿題の量と予習・復習の扱いを教えてください?
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このクラスの生徒は、音読練習・音読筆写・単語の意味調べなど指示されたことはたいていやってきます。復習は定着のために必要だと考えていますので、繰り返し読まなければならないような課題を与えるようにしています。
Q7 宿題にしたQ&Aをどのようにチェックしますか?
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決まったチェックの仕方があるわけではありません。提出されたワークシートの裏面に模範解答を印刷して返却したり、次の授業日に口頭で答えを確認したり、いろいろです。
予習は特にチェックすることはありません。何か指示した場合には、自分が当てられて悔しい人はやってきます。
【文法】
Q9 語彙チェックのペア活動で発音が気になりました。句・単語レベルの発音指導はどうしていますか?
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もちろん気になりますが、一度で完璧をめざすことは不可能であり、その場だけの発音指導になってしまいます。毎回の授業で特に気になる部分だけを一斉指導で矯正するなど、継続的に指導することが大切だと考えます。余剰時間で徹底的に指導する場を設けることもできます。さらに、英語の他の科目や2,3年次になってからも、その語句に何度も出会うような機会を設けてあげることが大切だと思います。
Q10 文法や構文把握などの指導はいつ、どのようにしているのですか?
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原則として、2課終了するごとに文法ウィークを設けています。そこではその課に出てきた文法を中心に扱います。
Q11 総合英語で和訳をさせないのであれば、どの授業で和訳の作業を行うのですか?
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授業では和訳させることはありません。受験対策としては、センター試験終了後に二次対策として一部の生徒対象に行いました。そのときに特に和訳ができないということはありません。できないとしたら日本語力の問題でしょう。
【授業の理解】
Q12 授業者の英語使用量が多かったが、生徒はきちんと理解できていますか?
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できています。同じような活動を毎時間使用しますので生徒はその英語表現になれています。教員が使わなければいつまでも生徒は分からないままですが、使えば比較的短い時間で分かるようになると信じています。
Q13 授業中にはあまり英文そのものを読む時間はなかったように思いますが、どの程度本文全体を理解して活動しているのでしょうか?特に、the most impressive sentenceを選ぶ活動のとき。 |
「一番印象に残った文」を選ぶ活動の目的は、さっと英文すべてに目を通させるということです。一人ひとりが最終的に選ぶ文にばらつきがあっても、なんの問題もありません。もう一度英文を読ませるという作戦はかなり成功するのですから。
【活動に関して】
Q14 インテイク活動としてどんなことをしていますか?
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インプット・インテイクを厳密に区別して活動を組み合わせているわけではありません。多量の英文を読むうちにインテイクされる部分もあるでしょうし、音読活動は意図的に多く組み込んで確実にインテイクされるように工夫しています。
Q15 教科書に引くアンダーラインは文でも単語でもいいのですか?
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単語・句・節・文などなんでもありです。要は飽きずに何度も読ませるために、アンダーラインを引かせる各活動の目的に応じて、いろいろ組み合わせるだけです。
Q16 活動の時間設定の際に音が鳴るタイマーは使いませんか?
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よく使います。
Q17 音読はどのくらいどのような形で行っているのか?
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毎時間、様々な形で行います。たとえば、モデルに続いての音読・ペアでの音読・ペアでのシャドーイング・Read & Look up & Say ・タイムレースなど飽きないように工夫しています。
Q18 授業中に語彙プリントの空所を埋めさせる目的は?
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予習の一部として単語を調べてこさせる目的です。
【冊子に関して】
Q19 資料が冊子になっていましたが、いつ作成するのですか? また、製本は外注ですか?
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SELHi開始の15年度からは、基本的に1年英語科では同じ教材を用い,同じ方法で指導を行っています。冊子は15年度使用の教材を、年度末にまとめ,外注で製本したものです。
Q20 和訳プリントを冊子にしたことのメリットとデメリットを教えてください。
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冊子にすると、毎回印刷して配布する手間が省けます。さらに、教科書2冊分のテキストと和訳及び授業中に施したアンダーラインなどの書き込みが一目で分かるようになります。
また、1年分の教材が一度にわたるので勉強したいときに勉強できます。デメリットは、たまに忘れてくる生徒がいるかもしれないことでしょうか。
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