「このいちょうの木、かれやあせん」
二学期に入ったある日、先生がおっしゃった。私はびっくりした。
わたしたちの高知県中土佐町には、「笹場の大いちょう」とよばれる
古い大きないちょうの木がある。
みきの周りが三メールをこえ、高さが十八メートルもあるりっぱな木だ。
わたしたちは、小さいころから、この木のそばで遊んだり、
夏にはこの木の木かげですずんだりしてきた。
近くによってよく見ると、先生のおっしゃるとおり元気がない。
葉が落ちてむき出しになったえだが、おちこちに見えてきた。
「このままでは、死んでしまう。」
みんなは、なんとかしてこの木を助けたかった。
でも、地域の人に聞いても、原因も治りょう法もわからなかった。
そこで、わたしたちは、新聞に記事をのせてもらおうと、新聞社に手紙を書いた。
すると、記事がすぐにのって、それを読んだ樹木医さんから学校に連絡があり、
木を見に来てくれることになった。
樹木医さんは、いちょうのところに行くと、木にさわったり、枝を見たりした。そして、私たちに、
「この木はおすで、八百さいくらいだよ。今すぐにかれるというのではないが、かなり弱っている。
このまま手入れをせず、いらない枝を切らないと、長くは生きられない。」
と教えてくださった。わたしたちは、みんなおどろいた。
そんなに昔から、いちょうの木がわたしたちの町で生きてきたなんて。
いっそう、助けたいという気持ちが強くなった。
わたしたちは、それから、「笹場の大いちょう」のことを調べ始めた。
地いきの人に話を聞いたり、本で調べたりして、学校のお祭りのときに、 町の人にいちょうのことをうったえた。
「このまま、大いちょうをからしてはいけない。」と、
多くの人が立ち上がってくれた。おかげで、いちょうもまた、元気を取りもどした。
その後、「いちょうの木のこと」をしに書くと、町に住む川島さんがすてきな曲をつけてくれた。
わたしたちは、それから、感謝の気持ちをこめて、毎年十一月になると、 この大いちょうの木の下で、「いちょうの木コンサート」を行っている。
わたしたちの学校は、全校で三十人くらいの小さな学校だ。
でも、そんな私たちにもできることがある。「笹場の大いちょう」とよばれて、
みんなから大切にされている大いちょう。歌には、わたしたちの気持ちがたくさんこめられている。
これからも、わたしたちを見守ってほしい。わたしたちも、大切にするから。
学研 「みんなの道徳」より
作 中城 早紀
『いちょうの木のこと』
作詞 笹場小学校児童
作曲 かわしまあきよし
みんな考えてほしい みんな知っていてほしい
笹場にある その大きな木
イチョウの木のことを
ぼくたちはその下で 夏は日かげにすずみ
冬は冬は色づく落ち葉を集め
みんなと遊んでる
じゅれいおよそ八百年 たっているその木
お父さんもお母さんも
大イチョウと育った
ぼくらの大事な宝物 その木の下で
今みんなで歌おう
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