学校長挨拶

  幡陽小学校は、古くからの大敷網や漁業の町以布利地区と風光明媚な大岐の浜に抱かれた大岐地区を校区に今年で96年の歴史を数えます。大正11年(1922年)、大岐尋常小学校と以布利尋常小学校が統合し両地区の中間地点に学校を創立したとき、幡多地域で一番最初に陽が昇るところ、「幡多の太陽たれ」と、大岐小学校でも以布利小学校でもない、幡陽小学校という校名が名付けられました。当時の地域の意気込みが感じられます。今でも十分通用する、大正当時としてはなんとハイカラな命名をしたものです。ですから、地域の学校に対する思いは強く、両地区の懸け橋の学校として地域ぐるみ教育が脈々と引き継がれてきた歴史があります。幡陽小学校にはPTA活動が始まる以前から幡陽小学校後援会が結成されていました。子ども達は地域の宝として大切にされ、地域でバックアップを惜しまない気風が引き継がれ、今でも学校に対する関心も高く、様々な行事に参加協力をして下さいます。
 今日、グローバル化の進展や人工知能の急速な進化など、社会の様々な領域で激しい変化が加速度的に進んでいます。こうした変化に受け身で対応するのではなく、主体的に向き合い、関わり合い、その過程を通して自らの可能性を発揮し、よりよい人生や社会を自ら創り出す資質・能力の育成が、今、求められています。このような状況の下、平成29年改訂の学習指導要領では、「生きる力」をより具体化し、育成すべき資質・能力は「知識・技能の習得」「思考力、判断力、表現力等の育成」「学びに向かう力・人間性等の涵養」の3つに整理されました。特に「主体的・対話的で深い学び」の実現が重要視されており、授業改善が求められています。
 授業の中核となる「主体的・対話的で深い学び」は、子ども自身が主体となって造る「学び」であり、子どもが問題・課題を見出し、解決策を考えたり、思いや考えをもとに創造したりすることに向かう過程を重視した学習です。本校は、児童数減少に伴い、完全複式の小規模校となっています。複式の授業は、先に述べた子ども自身が主体となって造る「学び」の実現であり、「主体的・対話的で深い学び」を中核としていると考えています。そこで、本校では学習リーダーを中心とした複式授業の研究、研修を進めていくこととしました。「共に学び合う」学習集団を実現するためには、授業力だけでなく、児童の心身の健康や自他を思いやる気持ちや感性が必要となってきます。これらを踏まえ、本校では、『 明るく、元気で、共に学び合う幡陽っ子の育成』を学校教育目標に掲げ、知・徳・体の調和のとれた児童の育成をめざしていきたいと思います。
 子どもたちが楽しいと思える学校、笑顔あふれる学校、持っている力を伸ばしてあげられる学校をめざしたいと思います。

 

幡陽小学校

 校長  舛市 司