戻る

 

 
木 造 薬 師 如 来 坐 像


 
   もくぞうやくしにょらいざぞう

 

   重要文化財 (美術工芸品 −彫刻− )       指定年月日 : 大正 2年 8月20日



   高知県高知市春野町秋山 種間寺(たねまじ)   ・  種間寺
         


   像高138.0cm。
   右手をまげて掌を前に五指をのばし、左手はまげて膝の上におき掌を上にして第3、4指をまげて薬壺(やっこ)をと
  り、左足を上にして結跏趺坐(けっかふざ)する。
   肉髻(にっけい) を半円形に高くつくり、螺髪(らはつ)は切付螺髪を小粒に揃え、白毫(びゃくごう)は水晶を入れる。衲衣
   (のうえ)は偏袒右肩(へんたんうけん)である。
   ヒノキの寄木造(よせぎづくり)、彫眼(ちょうがん)の漆箔(しっぱく)像で、丸顔の伏目の穏和な面相につくり、体部は豊満
  な肉付けがなされ、膝の張りも広く安定感があり、衣文(えもん)の彫り口は浅く、平行線を多用した極めておだやか
  なものである。 全身の漆箔は後補であるが、膝前や背面では剝落(はくらく) して素地をみせている。
   一見してわかるように定朝様(ていちょうよう) の作風を示す平安時代後期の作である。
   種間寺は、四国八十八ヶ所霊場第三十四番札所である。