どうぞうかんのんぼさつりゅうぞう 重要文化財 (美術工芸品 −彫刻− ) 指定年月日 : 昭和32年 2月19日 高知県室戸市元 金剛頂寺(西寺) ・ 金剛頂寺 像高22.2cm。 右手をさげて水瓶(すいびょう)をとり、左手はまげて掌を胸にあて、腹を前に出して立つ。頭上に中央化仏、左右に大 ぶりの花形の宝飾をつけ、それを冠帯(かんたい) で結んだ三面宝冠(ほうかん)(三面宝飾)をいただき、冠帯は両肩から 両腕にそって垂下し、面相は神秘的な表現とする。 2重の瓔珞(ようらく)を左右に垂らし、天衣(てんね)は台座左脇からゆるいカーブを描いて左腕にかかり、いったん膝前 に低く垂れたのち、水瓶をとる右手首にかかり台座右脇に垂下する。 台座は大ぶりで重たい感じがする。 本体と台座を一鋳(いっちゅう)とし、天衣の左側の本体との遊離部分を鋳つぐ。 全体に軽い火中痕が認められ、一部鍍金(ときん)が残る。 恐らく中央でつくられ、当地にもたらされたものであろう。 白鳳時代の作。 金剛頂寺は、四国八十八ヶ所霊場第二十六番札所である。