もくぞうやくしにょらいりゅうぞう 重要文化財 (美術工芸品 −彫刻− ) 指定年月日 : 大正 2年 8月20日 高知県南国市国分(こくぶ) 国分寺(こくぶんじ) ・ 国分寺 像高35.1cm。 右手をまげて掌を前にして五指をゆるくのばし、左手はまげて前にのばし掌を上に指先を軽くまげて薬壺(やっこ) をとり直立する。 頭部は螺髪(らはつ)を切り付けし、肉髻(にっけい)を小さく低くつくり、髪際(はっさい)はカーブを描いて中央部がたれ、 肉髻珠(にっけいしゅ)、白毫(びゃくごう)は玉を入れる。 衲衣(のうえ)は偏袒右肩(へんたんうけん)で右肩に祇支(ぎし)がかる。 衣文(えもん) はかなり形式化して、力の弱いものとなっている。 寄木造(よせぎづくり)、彫眼(ちょうがん)の漆箔(しっぱく)像であるが、漆箔は応永23年(1416)修理の際施されたもので、 いまは金箔がかなり剝落(はくらく)して漆(うるし) 地をあらわにしている。 付属の光背(こうはい)は応永の補修で背面に墨書銘があるが、板に貼付された銅製透かし彫りの部分は当初の もので、台座も一部を除いて当初のものである。 工芸的な鎌倉時代の作。 国分寺は、四国八十八ヶ所霊場第二十九番札所である。