もくぞうせんげんかくうんざぞう 重要文化財 (美術工芸品 −彫刻− ) 指定年月日 : 大正 5年 8月17日 高知県四万十市右山元町(うやまもとまち) 太平寺(たいへいじ) ・ 太平寺 像高73.3cm。 頭部は円頂(えんちょう)で、額に白毫(びゃくごう)に似たこぶを彫り出し、両手をまげて合掌し、身に法衣(ほうえ)をつけて 結跏趺坐(けっかふざ)する。 ヒノキの寄木造(よせぎづくり)、玉眼(ぎょくがん)の彩色像であるが、全身にほどこされた彩色は黒化して古色を呈する。 額、鼻根、目尻、小鼻の横から口もとなどに数本のしわを線刻し、頬骨高く顎のとがった面貌につくる。 やや反り 返った体部にまとう着衣は厚く、衣文(えもん) も繁縟(はんじょく)でのびを欠く。 泉巌覚雲(せんげんかくうん)は海峯性公(かいほうしょうこう)をたすけたとされるが、その経歴は明らかではなく、当寺に残る 位牌に「応安3年秋7月4日」とあることから、この日に死去したものと思われ、本像も応安3年(1370)をあまりへだたら ぬ頃に制作されたものであろう。