戻る

 

 
像/木


 
   もくぞうやくしにょらいおよびりょうきょうじぞう/もくぞうにてんのうりゅうぞう

 

   重要文化財 (美術工芸品 −彫刻− )       指定年月日 : 明治44年 4月17日
                                             追加 : 平成22年 6月29日



   高知県長岡郡大豊町寺内 豊楽寺(ぶらくじ)   ・  豊楽寺 
         


   薬師如来坐像は、像高133.5cm。 中尊(ちゅうぞん)の左に安置される。
   右手をまげて掌を前に五指をのばし、左手は膝上に掌を上にして第3、4指を軽くまげ、右足を上にして結跏趺坐
  (けっかふざ)する。 肉髻(にっけい)を高く頂部を平らにつくり、大粒の螺髪(らはつ)を切り付け、瞳に墨を入れ口唇に朱を
  さし、衲衣(のうえ)を偏袒右肩(へんたんうけん)につける。
   ヒノキの一木造(いちぼくづくり)、彫眼(ちょうがん)の古色像(こしょくぞう)で、首はやや猫背でずんぐりした体部に落ち込む
  ようにつくられ、頭部を前に突きだした古様(こよう)なつくりである。 胎内に仁平(にんぴょう)元年(1151) 薬師堂建立と
  結願者(けちがんしゃ)の名が墨書されていることから当初の本尊薬師如来であり、現中尊と阿弥陀がその作風を同じ
  くし、本像の光背と阿弥陀の光背が同じで中尊の光背が古いことから、いつの頃か現中尊と入れ替わったものと
  考えられる。
   この像の両脇侍像(木造日光菩薩立像、木造月光(がっこう)菩薩立像 −平成10年4月28日 県保護有形文化財指定−
  と木造天王立像2軀(く)が、国の重要文化財として追加指定される際に、この像の名称をそれまでの釈迦如来から
  薬師如来に変更した。