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金   銅   旅   壇   具


 
   こんどうたびだんぐ

 

   重要文化財 (美術工芸品 −工芸品−       指定年月日 : 昭和31年 6月28日



   高知県室戸市元 金剛頂寺(西寺)  ・  金剛頂寺
         


   金銅旅壇具は、携帯用の密教法具一式であり、修法に必要な諸道具はすべて小型につくって箱(箱壇という)中
  に納めたものである。
   修法の際は、火舎(かしゃ)、六器(ろっき)、花瓶(けびょう)、飯食器(おんじきき)、灑水器(しゃすいき)、塗香器(つこうき)、金剛盤
   (こんごうばん)
、五鈷鈴
(ごこれい)、五鈷杵(ごこしょ)
からなる法具を修法壇に早変わりした箱壇の上に配慮し、その左右に
  燈盞(とうさん)を備えた燈架(とうか)を立てるようになっている。
   その箱中には、さらに内箱を3個入れ、その内容品として先述した修法壇に配置した修法具一式の他に香薬箱、
  閼伽桶(あかおけ)、油壺、金剛線、明鏡が納められている。
   箱壇の高さ24.8cm、幅40.4cm、奥行は27.1cmであり、平安時代後期の旅壇具としては、わが国唯一の法具であ
  り、古様なつくりのものである。 密教の巡礼修行僧の携行の品である。
   金剛頂寺は、四国八十八ヶ所霊場第二十六番札所である。