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梵         鐘


 
   ぼんしょう

 

   重要文化財 (美術工芸品 −工芸品−       指定年月日 : 昭和31年 6月28日



   高知県南国市国分(こくぶ) 国分寺(こくぶんじ)   ・  国分寺
         


   9世紀の初め、平安時代前期に鋳造された土佐国分寺の梵鐘は、高知県では最古の梵鐘である。
   総高80.6cm、口径47.2cmで龍頭の長軸線と撞座(つきざ)との関係は直角をなし、鐘身(しょうしん)に対して撞座が高く、
  それらの点でこの梵鐘は古い様式を持っている。
   梵鐘が鋳造された平安時代前期は、土佐国分寺の伽藍(がらん)が出来上がった年代を示す。
   古代寺院の建立は数十年かかり、その最後に寺院に納められるのは、国分寺の総本山東大寺の梵鐘の例をみて
  もわかる。
   また、梵鐘の大小は当時の国力の強さと、それぞれの国分寺の大きさを示す。 国分寺の梵鐘で、今なお残ってい
  る讃岐(香川県)国分寺の梵鐘は高さ148cm、三河(静岡県)国分寺の梵鐘の高さは137cmである。
   国分寺は、四国八十八ヶ所霊場第二十九番札所である。