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刀 銘 備 / 文 □十



 
   たち  めい びぜんのくにおさふねかねみつ/ぶんなよねんきのと□じゅうにがつひ

 

    重要文化財 (美術工芸品 −工芸品−      指定年月日 : 昭和25年 8月29日



   高知県高知市追手筋 高知県立高知城歴史博物館  ・  高知県
         


   備前長船兼光。 裏に文和二二年乙未十二月と丁寧に切る。 南北朝の中期頃の作品である。 「二二年」とは、
  二十二年ではなく四年のことであり、「文和二二年」は「ぶんなよねん」と読む。 文和4年は西暦1355年。
   長さ2尺4寸9分5厘、反り6分9厘。 約3寸程磨り上げられて棒樋がかき通してあり、これに沿って腰樋が彫られて
  いる。 身巾広く切先少し延び、姿豪壮である。 地鉄小杢目、板目よく練れ、鉄色青く澄み淡く映り立つ。 刃文は
  互ノ目丁字、足深く入り、微妙に変化して整い切先に大きく乱込み品よく返る。
   この太刀は土佐藩主2代忠義公の愛刀であり、時の将軍が藤堂高虎を介して所望したが、「土佐一国に替えても
  放すまじ」といって断ったという。
   山内家の重宝であり、平成7年に高知県に寄贈された。