もくぞうあみだにょらいざぞう 高知県保護有形文化財 (美術工芸品 −彫刻− ) 指定年月日 : 昭和38年 7月 5日 高知県長岡郡大豊町粟生(あおう) 定福寺(じょうふくじ) ・ 定福寺 像高117.8cm。 現本堂の中尊(ちゅうぞん)で、両手をまげて腹前に弥陀定印(みだじょういん)を結び、右足を上にして結跏趺坐(けっかふざ) する。 肉髻(にっけい)を半円形に高くつくり、大粒の螺髪(らはつ)を切り付けとし、衲衣(のうえ)は偏袒右肩(へんたんうけん)に右肩 に祇支(ぎし)をかける。 ヒノキの寄木造(よせぎづくり)、彫眼(ちょうがん)の像で、寄木造であること、肉髻珠(にっけいしゅ)、白毫(びゃくごう)をつけるこ とを除いて豊楽寺(ぶらくじ)阿弥陀如来坐像に近い作風を示しているが、やや小ぶりでおおらかさに欠ける。 おそらく 豊楽寺像と同じ作者か、同じ派の仏師の手になるものと思われる。 ただ、江戸時代の修理の際、面相(めんそう)など に手が加えられたため、著しくみかけを損なっているのが惜しまれる。 衣褶(いしゅう)の彫り口なども、おそらくもっと 強いものであったろう。 平安時代後期の作。