わきざし　めい　はせべくにのぶ

 

　　　 高知県保護有形文化財 （美術工芸品　−工芸品− ）　　　　　指定年月日 ： 昭和３５年 １月１６日



　　　高知県高知市　　・　　(個人）
　　　　　　　　　


　　　刃の長さ34.0cm、反り0.5cm平造（ひらづく）り、指表（さしおもて）に独狐（とっこ）の爪形のある素剣（すけん）を彫り、裏にクリ
　　カラ竜（りゅう）の真（しん）の彫（ほり）がある。
　　　国信は京都に住み、南北朝（貞治（じょうじ）・1362年）頃の刀工（とうこう）である。　初代の国重は古来正宗（まさむね）10
　　哲（てつ）の1人といわれ、その作風は相州伝（そうしゅうでん）で賑やかな刃を焼く、殊に長谷部は皆焼（ひたつら）の刃を焼く
　　ことで著名である。　初代を国重、2代を国信というが、作風は全く同じである。
　　　地鉄（じてつ）は強く澄み、湾（のた）れ乱れに飛焼（とびやき）のある皆焼（ひたつら）の刃を焼き、荒沸（あらにえ）をまじえる。
　　彫物（ほりもの）は研ぎ減り等のためやや衰耗（すいもう）し惜しまれるが、手法は雄渾精緻（ゆうこんせいち）で原形を充分うか
　　がえるものである。
　　　土佐藩主山内家の伝来品であるという。