太 刀 銘 筑 州 住 左 行 秀 / 嘉 永 四 年 二 月 日
たち めい ちくしゅうじゅうさのゆきひで / かえよねんにがつひ 高知県保護有形文化財 (美術工芸品 −工芸品− ) 指定年月日 : 昭和40年 6月18日 高知県香南市 ・ (個人) 刃の長さ70.0cm、反り2.2cm、目釘穴(めくぎあな)1個。 筑州住(ちくしゅうじゅう)と銘を切るのは、当時行秀は高知市に居住しているが、正式には土佐藩工となっていないた めに出身地の国名を冠するのが当時の刀工の慣例であろう。 本刀は、行秀が39歳の壮年期の、技術としても最盛期の作品であり、その特色を最もよく顕した典型となるもので あろう。 身幅(みはば)があり、腰反(こしぞ)りで鎬(しのぎ)が高く、切先(きっさき)の延び姿は豪壮に見え、全体の調と均整がよく とれている。 地肌は板目で刃文(はもん)はやや広く、のたれ調に互(ぐ)の目で、足が盛んに入り、刃の中は充分に 沸(に)えてむらがなく、地(じ)の澄明(ちょうめい)と刃の中の雪の如き冴えとの対照の美しさは行秀の作刀(さくとう)の一 大特徴である。