太 刀 銘 備 前 国 住 長 船与 三 左 衛 門 尉 祐 定 / 大 永 二 年 二 月 吉 日
たち めい びぜんのくにじゅうおさふねよぞうざえもんじょうすけさだ / だいえいにねんにがつきちじつ 高知県保護有形文化財 (美術工芸品 −工芸品− ) 指定年月日 : 昭和35年 1月16日 高知県香美市 ・ (個人) 刃の長さ66.4cm、反り2.0cm。 祐定(すけさだ)を名乗る刀匠(とうしょう)の数は多いが、それらのおびただしい刀匠の中で与三左衛門尉祐定(よぞうざえ もんじょうすけさだ)は最も技量優秀な刀工であって、室町中期末期を通じ第1位に推すべき名工である。 この刀は長寸(ながすん)でありながら平造りであり、最も造形の難しい平造りであるにもかかわらず、僅(わず)かの破 綻(はたん)も見せず、姿形(しけい)、地肌、刃文(はもん)に申し分のない作品である。 殊に地鉄(じてつ)は優秀であり精密潤沢(じゅんたく)な鉄質で大板目肌(おおいためはだ)に優質な映りを表し、刃文は広目 (ひろめ)の直刃(すぐば)で鋩子(ぼうし)に至って尋常(じんじょう)に返(か)える。匂口(においぐち)はこの刀工の特色で少し沈み 心であるが、いかにも入念な作である。