日 本 刀 銘 吉 平
にほんとう めい よしひら 高知県保護有形文化財 (美術工芸品 −工芸品− ) 指定年月日 : 昭和42年 9月 5日 高知県香美市 ・ (個人) 吉平は建長頃(1249〜1255)、備前(岡山県)の福岡に居住し、鎌倉時代中期以前に栄えた一文字派(いちもんじは)の 刀工である。 刃の長さ64.4cm、反り2.6cm。 その作風も一文字派の特色をよく表し、地肌は杢目(もくめ)肌立ち、丁子(ちょうじ)映り が盛んに表れ、刃文(はもん)は小乱(こみだれ)で小丁子(こちょうじ)がこずむ。 匂足(においあし)・葉(よう)が盛んに刃の中に 入り、少し染(し)み心はあるが、働きが見事であり賑やかな地(じ)映りが立つ。横手筋の下は少し焼幅がが広くなり、 切先(きっさき)に乱れこみ、少し掃掛心(はきかけごころ)である。 刃の中へ地肌が美しく入り、金筋(きんすじ)の如く見える。 中心(なかご)は約6cm程すり上げ、目釘孔(めくぎあな)3個のうち2個は古い鉄埋めとなる。 佩表(はきおもて)の鎬地(しのぎじ)に吉平と太鏨(ふとたがね)で、小振りの字銘(にじめい) がある。