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小 村 神 社 の 蓬 莱 鏡


 
   おむらじんじゃのほうらいきょう

 

   高知県保護有形文化財 (美術工芸品 −工芸品− )     指定年月日 : 平成 3年 3月26日



   高知県高岡郡日高村下分 小村神社(おむらじんじゃ)   ・  小村神社
         


   小村神社には、2個の中世和鏡(わきょう)−蓬莱鏡−がある。
   1面は縦15.7cm、横10.2cmの方鏡で、他の1面は径19cmの円鏡である。
   ともに素鈕(そちゅう)、蓬莱文は巨石に松、州浜(すはま)または荒波、それに鶴亀が遊び、空に雲が浮かぶ図柄であ
  る。
   方鏡の鏡面には針書(はりがき)で3行にわたって次の如く銘す。
     「種子(バン)/康安二年八月十七日/藤原重利敬白」
   円鏡の鏡面には墨書痕を残し、大半の墨書は磨り消している。
   両鏡とも鏡の上部に0.5mmの両孔を持ち、懸吊(けんちょう)して御神鏡としたと思われる。
   種子バンは、金剛界大日如来を意味し、円鏡の墨書は胎蔵界大日如来を銘していたと思われ、両鏡で小村神社
  の本地仏(ほんちぶつ)を表現している。
   康安2年(1362)は、南北朝で神仏混交の時代であった。