目 次
(共同研究)
<高知県教育センター研究生、高知県心の教育センター研究生・留学生
1 まごころでふれあうことのできる人間関係づくりと支援のために
−アートセラピー(集団絵遊び療法)の手法によるアプローチ−
高知市立潮江東小学校 志賀 幸子
2
「自分が好き、友だちが好き、学校が好き」になることのできる
豊かな人間関係づくり
−育てるカウンセリングを活かして−
高知市立一ツ橋小学校 山口美喜子
高知県立高知追手前高等学校吾北分校 上田 晴彦
4
不登校生徒及び不登校傾向生徒への対応のあり方について
春野町立春野中学校 伊與木美智
―就職活動円滑化のサポート―
高知県立高知工業高等学校 谷口 正則
〜進路を考えるホームルーム活動〜
高知県立伊野商業高等学校
―ポートフォリオの活用を通して―
高知市立介良小学校 小野 由賀
〜評価規準に即した達成度把握問題の作成と個に応じた指導への
活用を中心課題として〜
仁淀村立仁淀中学校 岡村 勲
〜授業評価システムと学習支援活動を取り入れて〜
高知市立西部中学校 武樋 浩明
−評価規準の重点化・具体化を図った学習指導の工夫−
春野町立春野中学校 内田加奈子
11 情報教育に関する研究
〜共同利用できるデジタルコンテンツの開発:理科総合Aを中心として〜
高知県立須崎高等学校
〜知らせたい! 知りたい! 各校の取り組み〜
中村市立竹島小学校
支援の在り方
―児童の特性に応じた個別支援の実践―
高知市立横浜新町小学校 岩本 玲子
14 スムーズな身のこなしができる体づくり 〜『かしこい体』をめざして〜
高知市立養護学校 田頭 修
高知県立中村養護学校 土居 実里
16 ジェンダーと人権教育 〜個の輝きと自分らしさを見つめた男女平等教育〜
本山町立本山小学校 福岡 裕人
高知市立南海中学校 金崎 成朗
18 ジェンダーと人権教育 〜高等学校における男女平等教育の推進にむけて〜
高知県立高知農業高等学校 藤本 恵功
1
研究課題 |
まごころでふれあうことのできる人間関係づくりと支援のために −アートセラピー(集団絵遊び療法)の手法によるアプローチ− |
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氏 名 |
志賀 幸子 |
在籍校 |
高知市立潮江東小学校 |
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要
旨 |
人間関係づくりの一つとして、「集団絵遊び療法」の手法を生かした授業づくりの研究を行った。個人製作や共同制作をする中で、お互いのイメージの変化を確かめ合ったり、友達の表現に関心を持ちながら自然にかかわり合ったりすることができた。その後の振り返りの中で子どもたちは、お互いの思いを分かち合ったり、共感したりした。子どもたちは、困ったことに遭遇しても、一人で抱え込むのではなく、友達の意見を聞き、協力し合うことで課題を乗り越えることができる経験をした。お互いに話し合い、認め合うことで、自己肯定感を育むことにつながり、よりよい人間関係を築くことができ始めた。 |
キーワード |
人間関係・自己実現・他者理解・アートセラピー・集団絵遊び療法 |
研究課題 |
「自分が好き、友だちが好き、学校が好き」になることのできる 豊かな人間関係づくり −育てるカウンセリングを活かして |
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氏 名 |
山口美喜子 |
在籍校 |
高知市立一ツ橋小学校 |
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要
旨 |
「自分が好き、友だちが好き、学校が好き」になることのできる豊かな人間関係づくりを目指して研究を行った。ピア・サポート活動を活かした授業やお世話活動等をすることにより、お互いのよさを認め合う機会を設けると共に、読み聞かせを通して心の安定を図った。 |
キーワード |
・ピア・サポート活動 ・心の居場所 ・人間関係づくり ・チーム支援 ・読み聞かせ |
研究課題 |
心の冒険教育の研究 ―活動の安全対策― |
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氏 名 |
上田晴彦 |
在籍校 |
高知追手前高等学校吾北分校 |
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要
旨 |
人間関係づくりの手法の一つである心の冒険教育を普及していくうえで、活動の安全面に対する配慮は欠かせないことである。そこで、心の冒険教育研修会受講者へのアンケート調査や先行事例の収集等を通して、実施状況を分析し、安全対策について提案することを本研究のねらいにおいた。 |
キーワード |
人間関係づくり、冒険教育、安全対策、危険予知、ルール |
研究課題 |
不登校生徒及び不登校傾向生徒への対応のあり方について |
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氏 名 |
伊與木 美智 |
在籍校 |
春野町立春野中学校 |
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要
旨 |
児童生徒の不登校への対応については、関係者において様々な努力がなされてきた。最近では、不登校を「心の問題」としてのみとらえるのではなく「進路の問題」としてとらえ、将来的な社会的自立に向けて支援していくことが重要だといわれている。 すべての子どもが安心して過ごすことができる学級・学校づくりのために、中学校でできる人間関係づくりや生徒のサインを見逃さないかかわり方、不登校生や家族の心に寄り添った個別対応について検証してきた。目の前にいる生徒に、誰がどのようにかかわるのか、個に応じた支援を図るために、校内支援体制や関係機関との連携を充実させたい。 |
キーワード |
心の居場所、不登校、人間関係、家庭訪問、連携 |
研究課題 |
進路指導体制の充実に向けて ― 就職活動円滑化のサポート ― |
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氏 名 |
谷口 正則 |
在籍校 |
高知県立高知工業高等学校 |
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要
旨 |
高校生を取巻く就職環境が大きく変化し、多くの問題をかかえる状況の中で、主体的な進路選択・決定ができる能力の育成を目標とした。そのための指導・援助の手助けとなる資料や事業所情報の充実を目指し研究を行った。「事業所へ就職に関するアンケート調査の実施と分析」を研究の柱におき、ホームページを利用した事業所情報の提供のため、「ホームページデータベース」、「インターンシップの手引き・リーフレット」などを作成した。また、検証授業をとおして、研究の有効性を分析し、本研究の成果と課題をまとめた。 |
キーワード |
職業観・勤労観 進路に関する情報 主体的な進路選択・決定 ホームページ |
研究課題 |
進路指導体制の充実に向けて 〜進路を考えるホームルーム活動〜 |
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氏 名 |
小嶋 恭子 |
在籍校 |
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要
旨 |
若年層の離職率の増加やフリーター志向などが強く指摘されている現在、進路指導において職業観・勤労観などの早期意識づけは重要である。高校生活において進路指導を計画的・継続的に進めていく事ができれば、自己の進路について真剣に考え、主体的な選択・決定能力の形成にもつながる。そこで、ホームルーム活動の場に焦点をあて、進路学習ノートに着目した。この進路学習ノートを中心として、高等学校段階における進路指導の活動内容とそのあり方を考え、具体的には、Webページの作成など進路指導の内容充実および教材の有効的活用に向けて取組んでいった。 |
キーワード |
進路指導、生き方、ホームルーム、進路学習ノート、Webページ |
研究課題 |
「数学的な考え方」を育てる指導と評価の在り方 −ポートフォリオを活用した取り組みを通して− |
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氏 名 |
小野 由賀 |
在籍校 |
高知市立介良小学校 |
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要
旨 |
本研究は、「数学的な考え方」を育成することを算数科の本質であると捉え、「考える過程」を記録するポートフォリオを活用した指導と評価を行うことにより、「数学的な考え方」が育つであろうというものである。学習評価の実態調査結果の考察をもとに学習評価の方法を探った。 |
キーワード |
数学的な考え方、ポートフォリオ、肯定的評価、振り返り、見通し |
研究課題 |
数学科における「指導と評価の一体化」 〜評価規準に即した達成度把握問題の作成と個に応じた指導への活用を中心課題として〜 |
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氏 名 |
岡村 勲 |
在籍校 |
仁淀村立仁淀中学校 |
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要
旨 |
単位時間の学習目標を達成度把握問題として具体化する作業を通して、評価規準と達成度把握問題の関連付けについて研究を行った。また達成度把握問題から質の異なる三種類のテスト(小単元、単元、定期)を作成するとともに、指導計画の中に個に応じた指導の時間を計画的に位置付けた。小単元テストによる学習評価と個に応じた指導を関連付け、生徒の実態に応じた指導を繰り返し、学力の向上を目指した。その取組を繰り返した後、単元・定期テストを実施し、学力評価を行った。また小単元テストと単元・定期テストの結果を比較・分析し、取組の成果と課題をまとめた。 |
キーワード |
中学校、数学、指導と評価の一体化、個に応じた指導、評価問題 |
研究課題 |
数学好きな子どもを育てる数学科学習指導 〜授業評価システムと学習支援活動を取り入れて〜 |
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氏 名 |
武樋 浩明 |
在籍校 |
高知市立西部中学校 |
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要
旨 |
本研究は、数学好きな子どもを育てたいという願いを実現させるために、子どもに「数学的活動の楽しさ」を味わわせ、考える楽しさ、数学のよさを実感させるように授業を工夫するとともに、授業評価システムを活用して、子どもがその授業をどのように受けとめているかを把握し、授業の改善を図ろうと考えた。また、授業外でも数学好きな子どもを育てる取り組みの必要性を感じ、学習支援活動(マスサポート)の在り方を考えた。以上の取り組みを、第2学年「平行と合同」において実践した結果、主体的に問題を解決していこうとする態度が育ち、数学好きな子どもを育てるには有効であることが分かった。 |
キーワード |
数学好き、数学的活動の楽しさ、授業評価システム、学習支援活動、創作問題 |
研究課題 |
国語科における指導と評価の一体化のあり方の研究 −評価規準の重点化・具体化を図った学習指導の工夫− |
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氏 名 |
内田 加奈子 |
在籍校 |
春野町立春野中学校 |
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要
旨 |
基礎・基本の定着を図り、生徒に成就感や達成感を味わわせることのできる国語科の授業をめざして、指導の質を高めていくための「指導と評価の一体化」のあり方について研究を行ってきた。指導のねらいを明確にするための評価規準の設定の仕方や、生徒自身に学習の見通しや意欲をもたせることができる指導方法や評価方法等について検討し、3領域それぞれの検証授業を計画・実施した。その授業実践を通して、単元指導での「計画」「実践」「評価」の各段階におけるポイントを整理し、「指導と評価の一体化」のあり方について考察する。 |
キーワード |
「指導と評価の一体化」 「評価規準の重点化・具体化」 「基礎・基本の定着」 「魅力ある授業作り」 |
研究課題 |
情報教育に関する研究 〜共同利用できるデジタルコンテンツの開発:理科総合Aを中心として〜 |
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氏 名 |
野島 通乃 |
在籍校 |
高知県立須崎高等学校 |
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要
旨 |
「電子データ化された実験支援ソフトで、観察や実験を行いやすくしたい!」 理科での広範な教材研究の必要性と学校のIT環境の向上から、デジタルコンテンツの有用性が考えられる。そこで理科総合Aを中心に、実験や生徒の自主的活動を支援できるデジタルコンテンツの補助教材の開発を目的とした。教科書やアンケートの分析から教材化する観察・実験を精選・実施し、記録した映像から静止画や動画を作成、実験紹介に計算処理支援ファイルや関連HPのリンクも加えて、Web形式で補助教材を開発した。 |
キーワード |
情報教育、理科総合A、理科実験、ソフトウェア、教材教具開発 |
研究課題 |
「総合的な学習」を開き、学びの幅を広げる 〜知らせたい! 知りたい! 各校の取り組み〜 |
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氏 名 |
今城 純子 |
在籍校 |
中村市立竹島小学校 |
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要
旨 |
本研究は、総合的な学習の時間に関わる課題(自分の学校及び学級の取り組みが機能しているか不安であること、学力との関係がよく分からないこと、他校の取り組みが見えてこないこと)を解決したいという思いからスタートし、アンケート調査の実施や整理、その結果をもとにした検証授業などの研究を進めてきた。報告書においては、アンケート調査結果の概要と分析、高知県内の小学校における取り組みの状況と課題を明らかにすると共に、同じテーマを扱っている学校と交流学習を仕組んだ検証授業によって児童の学びがどのように変容したのかについて報告するものである。 |
キーワード |
小学校、総合的な学習の時間、アンケート結果、交流学習 |
研究課題 |
通常の学級における学習上特別な配慮が必要な子どもたちへの支援の在り方 〜児童の特性に応じた個別支援の実践〜 |
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氏 名 |
岩本 玲子 |
在籍校 |
高知市立横浜新町小学校 |
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要
旨 |
通常の学級における学習に困難を示す「気になる児童」に対して、支援が必要であるという視点に立ち、その児童の『困り感』を感じとらなければならない。そして、適切な実態把握とニーズに応じた指導が必要である。研究では、学習のつまずきや困難を改善するために認知の特性に着目し、個別の指導計画を作成した。まず個別指導では、指導計画に基づき、その子の“学び方のスタイル”を生かした指導内容・方法を工夫しながら、効果的な支援を探っていった。また、一斉指導では、個別指導において効果的であった学習方法を取り入れ、指導上の配慮や工夫をすることにより、意欲的に学習に参加できるのではないかと考え、指導方法の検証を行った。 |
キーワード |
困り感 学習のつまずき 認知の特性 個別指導 一斉指導 |
研究課題 |
スムーズな身のこなしができる体づくり 〜『かしこい体』をめざして〜 |
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氏 名 |
田頭 修 |
在籍校 |
高知市立養護学校 |
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要
旨 |
今なぜ、体づくりか?古くて新しいテーマが体づくりである。養護学校では以前から体づくりに関する研究が多い。それは、体の動きの発達が大切と考えられているからである。また、近年、通常学級に在籍するLD,ADHD等の子どもたちに注目が集まっている。その子らに共通する特徴として、動きのぎこちなさや体の歪み、不器用等が挙げられている。さらに、最近は自分の子どもに触れない、抱けない若い親の存在も知られるようになってきた。社会全体の五感喪失や身体機能の低下といった現状があり、このような時代を豊かに生きるために、養護学校の子どもたちにスムーズな身のこなしのできる『かしこい体』をめざすことが必要と考える。 |
キーワード |
かしこい体、ムーブメント、腕で自分の体を支える、跳び箱運動、今を豊かに生きる |
研究課題 |
よりよい「総合的な学習の時間」に向けて |
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氏 名 |
土居 実里 |
在籍校 |
高知県立中村養護学校 |
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要
旨 |
施行から2年目となる「総合的な学習の時間」において、県下の盲・聾・養護学校で現在行われている活動の実際を調査し、課題を明確化・焦点化した。そこから出された、課題を解決できる授業内容や個に応じた活動について考察した。また、在籍校で「総合的な学習の時間」に位置付けている交流活動において、 |
キーワード |
課題の明確化・焦点化 交流活動 事前・事後学習 生徒の主体性 教育内容の共有化 |
研究課題 |
ジェンダーと人権教育 〜個の輝きと自分らしさを見つめた男女平等教育〜 |
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氏 名 |
福岡 裕人 |
在籍校 |
本山町立本山小学校 |
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要
旨 |
本研究では、自尊感情の高まりを個が輝き、「自分らしさ」を見つめた状態と考え、自分の身の回りや社会にあるジェンダー意識に関する「気づき」を促していく学習を高知県内小・中・高等学校30校の「人権に関するアンケート」の分析や他県の先進的な研究結果を基に構成した。また「自分らしさを持つこと」と「他者との一体感を持つこと」は切り離して考えることのできない内容だと捉え、人とかかわる力を高める学習を関連させて、自他をみつめ、他者とつながる学習へとつなげた。授業においては、一人一人のジェンダー意識の気づきを基に、自他の思いを伝え合うこと、よさに気づくこと、人とつながる楽しさを知ることで自尊感情の高まりにつながることを検証し、実証した。 |
キーワード |
ジェンダー、人権教育、男女平等教育、自尊感情、コミュニケーション |
研究課題 |
ジェンダーと人権教育 〜問題解決の力を育てる〜 |
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氏 名 |
金崎成朗 |
在籍校 |
高知市立南海中学校 |
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要
旨 |
男女共同参画社会の実現に向けて、女性の人権に関する問題の具体的な取り組みが、国内外で始まっている。本県においても、2003年末に条例の制定がなされた。しかしこれまで各地でなされた調査と同様に、本県の中学生の意識のなかには、は、性別による役割分担や特性などに関するこだわりや偏見が顕著であった。男女平等教育は一人一人が性差による偏見やこだわりを見直し、社会のありようや生き方について考える大切な学習である。現状調査にもとづく授業づくりと実践をつうじて、子どもたち自身の気づきが「ジェンダー」という文化的・社会的性差を解消する力のもととなることが明らかになった。 |
キーワード |
ジェンダー、人権教育、男女平等教育、問題解決、自尊感情 |
研究課題 |
ジェンダーと人権教育
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氏 名 |
藤本 恵功 |
在籍校 |
高知農業高等学校 |
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要
旨 |
世界や国、県で、「男女共同参画社会」の推進や「男女平等教育」の必要性が叫ばれている。学校においても、その現状をアンケートによって詳しく分析した。その結果、現在の高校生には、性別による進学率の格差や性別による職業選択希望の相違や性別による教科による得意、不得意意識などのさまざまな課題が見出された。進路・職業選択の課題についての指導案を作成し、それにもとづいて検証授業を行った。その結果、生徒の職業選択において男女の差がなくなってきているという意識や人権問題についての興味、関心、知識が高まった。一方教師の側の「気づき」および、生徒の意見をどう「気づき」につなげていくかという指導力の必要性を実感した。 |
キーワード |
男女平等、自尊感情、男女平等教育、ジェンダー、男女共同参画社会 |