教科書無償運動の成果として,新学期をむかえる子どもたちは,真新しい教科書を手にし,ページをめくりながらこれから始まる勉強に期待をいだき,進級した喜びをかみしめることができます。しかし,今日の若い教職員や保護者等をも含め,教科書が無償で配布されていることを当然と思い,その経緯を知るものが少なくなってきている現状にあります。さらに,ここ長浜が教科書無償運動発祥の地と言われる由縁(当時の被差別地域の人々やPTA,教職員組合,各種団体等が一丸となり,憲法第26条に基づく闘いを展開したこと)を知るものも少なくなってきています。 本校の「教科書無償運動常設パネル展示室」の趣旨は,子どもたちが当時の貴重な資料等から全国に誇れる教科書無償運動発祥の地である長浜を再認識し,自らの故郷に誇りをもった生き方を身に付けていってくれる事を願ってのことです。また,私ども教育に携わるものは我が国における最高法規である憲法を遵守し,遵守させることの意味を提起したこの闘いから,深く学ばなければならないとの強い思いからでもあります。