1 基本的な考え方
町教育委員会は、これまで国県の動向に注視しつつ、教育環境の変化に対応しながら町の特色、個性等をふまえ町教育行政を推進してきています。特に最近は、10年間の県の「土佐の教育改革」に沿った取り組みを核として、具体的施策の展開を図ってきました。
そうした中で、県は、「教育改革10年を未来につなげる会」から、平成18年11月、土佐の教育改革の検証と総括に基づく提言「翔べ土佐の子どもたち〜教育新時代・こうち〜」を受け、その趣旨を踏まえ、中学校問題など当面する課題の解決を図るとともに、21世紀を心豊かに生き抜いていける子どもたちを育てることのできる教育の確立を目指し、毎年度、策定していた基本方針を中長期的なものとして位置づけ、二つの基本的な考え方のもとで取り組んでいます。
町教育委員会としては、目指すべき教育の方向は国及び県と同様であるべきという認識から、中学校問題や基礎学力の定着など当面する課題の解決を図るとともに、21世紀を心豊かに生き抜いていける子どもたちを育てることのできる教育の確立を目指し、基本方針を中長期的のものとして位置づけ、次の基本的な考え方のもとで取り組んでいきます。
(1)開かれた学校づくりや授業評価システムなど、土佐の教育改革で築いた参加と協働による教育づくりという財産を継承し、発展させていく。
(2)教育的な風土づくりを全町的な運動に高めていくため、町民、教育現場、教育行政の信頼関係にもとづく幅広いネットワークを築いていく。
(3)少子高齢化、過疎化が進行する中、まちおこし、ひとづくりの原点として、温故知新を取り入れた教育施策の展開を図る。
(4)メリット、デメリットをふまえ、教育委員会(事務局体制)の広域化(一本化)を推進する。
2 取組の目標
(1)信頼される学校をつくる。
教育の質を保証し、誰もが「行きたい」、「行かせたい」、信頼される学校をつくる。
(2)教育的な風土をつくる。
学校、家庭、地域が、子どもたちのことを第一に考え、支え合い、協力して健やかな子どもたちを育てる教育的な風土をつくり、
子どもたちが、安田町で育って良かったと感じられるような社会を築く。
(3)ふるさと学習の定着を図る。
まちおこしの原点はひとづくりであり、幕末から明治維新にかけて近代日本の礎をつくりあげた多くの若者を輩出した地域であり、
彼らに多大な影響を与えた安田文化を学び、激動の社会を生き抜けていける土台づくりとして、ふるさと学習の定着化を図る。
(4)事務局体制の見直し
子どもたちの学力など、格差を生まない、広げない教育環境づくりのため、メリット、デメリットを踏まえ、教育委員会(事務局体制)の
広域化を推進する。
3 取組の視点
(1)子どもの視点に立つ。
全ての教育課題の解決に当たっては、「子どもたちが主人公」という認識のもとに取り組む。
(2)現場の視点に立つ。
子どもたちに最も身近な学校・家庭や地域の視点に立って取り組む。
(3)連携の視点に立つ。
家庭・地域など教育以外の行政部門と連携し、専門性を発揮して、取組の実効性を高める。
(4)課題の根本解決の視点に立つ。
当面する教育課題の根本的解決を図るため、その背景や構造的な問題に目を向け、量から質へ、対処から予防へ、個別から総合へと
対策の重点を移す発想の転換を行う。
(5)時代の変化に柔軟に対応しつつ、教育のあるべき姿を追求する視点に立つ。
社会の動向、国、県の制度改革を見据え、変化に対して自律的に柔軟に対応しながら、「土佐の教育改革」などの成果を活かし、
県とともに町教育のあるべき姿を追求していく。