高知市立高知特別支援学校

校長挨拶

        ごあいさつ
 本校のホームページを訪れてくださった皆様に,まずはお礼申し上げます。


 本校は,昭和38(1963)年4月に,県内はもとより四国でもいち早く誕生した知的障害教育校です。保護者の熱い思いを受け,地域や行政が力を合わせて設立された学校で,当時の高知市長が自ら休日に学校用地を探して回ったというエピソードも残されています。設立時の校名は「高知市立養護学校」で,略称の「市養(しよう)」は広く定着し,平成27(2015)年4月に「高知市立高知特別支援学校」と改称された後も,校歌には「市養の仲間」という一節が残っています。


 本年度から学校教育目標は,「やる気いっぱい 笑顔いっぱい みんなの市特」として(「市特」は現校名の略称),子ども主体の学校生活の実現に向けた取組を進めます。

 子ども一人一人が持てる力を発揮して,めいっぱい・精一杯・存分に活動し,首尾よく成し遂げて充実感を得ることができる,そんな豊かな学校生活の実現を目指しています。今日を豊かに生きて明日を楽しみに待つ学校生活の積み重ねが,子どもの自立を支え,将来の社会生活の豊かさに結実するものと考えています。


 教育課程には,各教科等を合わせた指導を大きく位置付けています。

 小学部では遊びを中心とする生活単元学習を,中学部では生活単元学習と作業学習を,高等部では作業学習を中核としています。地域社会の多大な理解と協力を得て,作業学習製品の販売会「市特市(しっとくいち)」や公民館の美化・整備,防災の取組,近隣校等との交流活動など,校内外において「ひと・もの・こと」とのかかわりを大切にした教育活動をしています。また,横帯状の週時程を編成して一日の流れを分かりやすくし,子どもが見通しを持ちやすいようにしています。


 支援においては,「できる状況づくり」を追究しています。

 「できない子どもはいない。できない状況に置かれてしまっている子どもがいる。」との捉えの下,子どもが「自分から・自分で・めいっぱい・精一杯」活動し,首尾よく成し遂げられる環境を整えることを大切にしています。
 子どもが苦手とすることやまだ力が十分でないところに着目し,クリニック的に指導することをもって子どもの教育的ニーズへの対応とすることは,私たちの目指すところではありません。子どもの様子をていねいに見取り,得意なことやいいところが最大限に発揮されることを願いながら「できる状況づくり」に努めることは,ICFでいう環境因子の調整に通底するものであると考えています。


 学習指導要領では,「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」の育成と,「主体的・対話的で深い学び」の実現が求められています。
 本校は,知的障害教育の来歴に学びつつ,各教科等を合わせた指導を中核に据えた豊かな学校生活づくりを通して,引き続きその命題に取り組んでまいります。


  令和5年4月

高知市立高知特別支援学校長  清水 隆人