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〒785-0011 高知県須崎市東糺町2番9号
現在、本校の子どもたちはチャイムが鳴ると教室に入り静かに授業に向かいます。教室を飛び出す子どもはほとんどいません。しかし、数年前には、こうした子どもたちが8人もいた事実がありました。
「この事実を何とかしたい!」という、その当時の教職員の切なる思いが、本校での「学びの共同体」の理論と手法を用いた授業改善へと繋がっていきました。
当初は研究テーマを「聴く子ども・話す子どもの育成」とし、まずは、「聴く」「話す」の研究・実践に取り組みました。その結果、教師が変わり、子どもが変わり、さらに学力も向上していきました。現在、多くの子どもたちは、互いの良さを認め、学び合えるようになり、全体として落ち着いた学習ができるようになっています。このように須崎小学校を変容させていったのは、全教職員が「チーム須小」を合言葉に一丸となり、子どもに、そして授業に向かい合ってきたからだと捉えています。こうした姿勢は、今現在も須崎小学校の根底に流れています。
しかしながら、ある一定の成果を上げることはできたものの、子どもたちに本当に「聴く力」「話す力」を付けることができたのでしょうか…。相手の話を聴き、そこに響き合っていく子どもとなっているのか。学びの中で教師と子ども、そして子ども同士がつながっているのか。互いに学び合う子どもたちとなっているのかと自問するまでもなく、やはり残された課題がはっきり見えてきます。
「聴く・話す」においては、児童の個人差が大きいこと。「言いたい」が先に立ち、人の話が聴けない子どもたちや話すことに尻込みしがちな子どもたちも少なからずいます。まだまだ「つながる」ことが難しい子どもたちです。また、教師の「聴く・つなぐ・もどす」といった技法の習得も難しく、一朝一夕では身につきにくいが故に中途半端に終わっている面があります。教員の入れ替わりにより、学びの共同体の手法を用いた経験年数に差が出てくること等々の課題もあります。
しかしながら、これらの課題を克服するための取り組みを継続していかなければ、これまで少しずつ改善を遂げてきた須崎小学校の姿を数年前に戻してしまうことになりかねません。新しいメンバーも加えた教職員が同じ方向性を持ってチーム須崎小学校として取り組むことを抜きにしては、子どもたちの望ましい変容は期待できないと考ました。