学校長あいさつ

 

 平成23年4月、日高特別支援学校高知みかづき分校は、「地域に愛され、地域に貢献できる人材の育成」を教育目標に掲げ、時代に即した新しいタイプの職業教育の充実を図り、生徒一人一人に応じた職業教育や社会自立を目指す教育を行う高等部のみの学校として開校しました。

 

   本校では、職業教育や社会自立を目指す教育に加え、生徒が生涯にわたって目標ある生活を送るために、生きがいづくりや、余暇活動を積極的に支援するなど、幅広い青年期教育にも取り組んでいます。

 

   本校の特色ある取組としては、働くことの意味と意義を理解するためのキャリアガイダンスの一つとして、地元の町内会連合会、民生委員児童委員協議会、商店街振興会などの協力のもと、地域へのボランティア活動など、社会奉仕の精神を養う学習を多く取り入れた教育を行っています。また、地元企業や専門学校とジョブ サポーティング パートナーズ(JSP)を締結し、「物流実務」、「フードビジネス」、「環境サービス」の各分野で、企業や専門学校の専門スタッフによる職業自立に向けた専門的な知識や技術の指導を受けています。

 

 平成25年9月には、「フードビジネス」の取り組みの一環として、地域に密着した店舗形式の実習施設であるカフェ「イエロークロワッサン」を開店させました。生徒たちは買いに来てくださるお客様のことを考え、心を込めてパンやケーキを焼き、接客・販売に取り組んでいます。おかげさまで、毎週水曜・木曜の営業日には多くの方々にご利用していただき、生徒や地域の人々のコミュニケーションの場にもなっています。

 

 また、近年、これまでのICT機器の整備に加え、国の「GIGAスクール構想」に基づき、児童生徒一人一人がタブレット端末を活用して学習ができる環境が整えられており、これらのICT機器を効果的に活用していくことで、「主体的・対話的で深い学び」につなげ、これまで以上に充実した授業を目指して取組を進めています。

 

 このような取組により、生徒たちは職業自立という明確な目標をもって学習活動に参加することができ、一般就労率もここ近年おおよそ90%を達成することができています。私たち教職員は、本分校の教育を真に必要としている生徒一人一人の能力や適性を最大限に引き出すことを責務として、これからも全力で取り組んでまいります。

 

 今後とも、高知みかづき分校の教育活動に対しまして、ご理解と温かいご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

 

令和5年4月1日

高知県立日高特別支援学校長 松田 真一