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研究主題について

(1) 研究主題「なかまとのかかわりを生かして思考力・表現力を育てる」の考え方

・ 学習指導要領の解釈

昨年度から新しい学習指導要領が施行された。今回の新・学習指導要領の最大の特徴は,児童に「生きる力」はぐくむことを再確認している点である。この「生きる力」に関しては様々な解釈がなされているが,学校教育全体を通じて実現すべきことは,「基礎的・基本的な知識及び技能を習得し,これらの活用を図る学習活動を通して,思考力,判断力,表現力等を育成することを重視し,その基盤となる言語に関する能力の育成を図ること」である。それは言い換えると,学校教育全体を通して,課題を自らの力で見つけ,考え,解決し,新たなものを創り出す力と,その基盤となる言葉の力が求められているのである。

私たちはこれを「なかまとのかかわり」によって育つものと捉えている。


・ 現場の願いから

友達の話すことを聞き,共感したり,多様な考えにふれたりするところに集団で学ぶ楽しさがある。個々の学習では味わえない新しい気づきや発見を重ねることで自己と集団の成長につなげることができる。「なかまとのかかわりを生かして,自分の考えを深める」ことを大切にした学校生活に取り組むことで,望ましい集団,ともに育つ子どもを育成することにつながると考えた。


・ 社会の要請から

近年,少子化,核家族化の増加等からもわかるように,児童を取り巻く社会の中で人と人とのかかわりが希薄になりがちである。だからこそ今,「他とかかわる力」が求められている。そしてこのかかわる力を味わわせ伸ばすには,学校生活全般において自己を表現し,能動的に取り組む姿勢を理想として,改革していくことが必要であると考えた。


以上,新・学習指導要領,現場の願い,社会の要請,の3つの支店から次のように研究主題を設定した。

なかまとのかかわりを生かして思考力・表現力を育てる

(2)補足
「かかわる力」とは

学習の場に置き換えると,それは友だち・教師を指す。授業を通して友だちや教師とかかわる中で,かかわるよさに気づき,喜び・面白さを感じ取りながら,主体的にかかわっていこうとする態度をいう。

だから,学校はなかまとともに学ぶ喜びを味わえるところでないといけない。様々ななかまと供にのびる場所でなくてはならない。


  • ・友だちとの学びあいの中で高まっていける
  • ・学校だからこそできる・・・個性のぶつかり合いの中で友だちの考えを聞きあいながら学んでいける
  • ・分からないことが自分で表現できる・・・それに友だちが答えてくれる
  • ・自分の考えが分かってもらえる・・・みんなに広がっていく
思考力とは・・・

理論的には「本質と自己とを関係付ける力」とされる。それを学習の場にたとえると,まず,「教材に働きかける」という主体的に学ぶ姿があって,その上で「既習事項や生活経験を生かし,それを活用しながら,見通しを持って筋道立てて考えていく力」と捉えることができる。

表現力とは・・・

表現力は,「表現する」を考えればわかりやすい。本校は「表現」する,を次のように捉える。

表現する=自分らしさ・子どもらしさの発揮

(解説)

これまで「表現する」とは「言語を通して」「発表する」という狭義の捉え方をされる事が多かった。特に「コミュニケーション能力の育成」のテーマ下ではその傾向が強かった。そこでは次のような反省がよく聞かれる。

  • ・これまで子どもたちに優れた発表を期待し過ぎていたのではないか
  • ・常に結果を求め過ぎていたのではないか
  • ・表現させようとはしているが,見つけた結果を報告させようとしていただけないのではないか

本校ではその反省にたち,「表現する」を次のように捉えている。

表現する=自分らしさ・子どもらしさの発揮