2017年12月アーカイブ

今から1ヶ月ほど前、嶺北高校から二人の生徒が沖縄に向けて出発しました。『「世界津波の日」2017高校生島サミット in 沖縄』に参加するためです。それは、世界25カ国から高校生255名が参加するという、嶺高生二人にとっては、かつて経験したことのない大舞台でした。

 

津波サミットに参加した2年生の二人

 

でも、そもそも高知県の中山間地域に位置する嶺北の高校生たちが、津波サミットでいったい何を発表したのでしょうか。そこには、中山間地域ならではの視点がありました。

南海トラフ地震で確実に被害を受ける高知県。

そして、同じ高知県でも、海から遠く、山に囲まれた嶺北。

津波の直接的な被害を受けない私たちに、何ができるだろうか。

 

そうしてたどり着いたのが、肥沃な土地を生かして野菜を育て、嶺北ならではの災害食を開発し、被災した人々に届けよう、というアイディアでした。

こうして、防災をテーマに活動するRGAと、地元の食材を活かした食品開発などを手がけてきたRYNという嶺北高校の二つの自主活動グループのコラボが始まったのです。

津波サミットに参加した和田さんと原さんに話を聞いてみると、沖縄に向かう飛行機の中、ワクワク感よりも緊張感の方が強かったそうです。その一つの原因は、サミットではプレゼンもディスカッションも全て、英語が公用語に決められていたことにありました。そのため、夏休み明けから2ヶ月半、二人は発表の練習を重ねてきたのです。

2人のプレゼン指導を担当したのは、英語科の横山先生とALTのTosin。横山先生は、これまでも多くの生徒たちにプレゼンテーションやスピーチを指導してきた非常に積極的な先生です。「人前できちんと自分を表現できるひとになって欲しい。そのために嶺高生にはいろいろな場に出てたくさんのことを経験して貰いたい。」それが横山先生の願いです。

 

目標は「絶対にプレゼンを成功させること!」


ALT以外の外国人と話したのは初めてという二人は、インドネシア、クック諸島、バヌアツ、タイの生徒たちとグループワーク。「3人1組でのディスカッションのときなどに自分の英語力が足りず上手く話せなかったので、これからはもっと英語が使えるように勉強していきたいと思うことができました」と振り返ります。

 

自己紹介をする嶺高生の二人

 

ディスカッションも英語!

 

また、高校生とは思えないほど身長が高い外国人もたくさんいたり、逆に小学生のように小さい人もいたりと、体の大きさも肌の色も言語も様々な同世代の学生に出会えたことが、二人にはとても新鮮だったようです。

二人に、サミットで印象に残っていることを聞くと、沖縄で出会った海外の人とSNSでも繋がることで自分の世界が広がったことを話してくれました。

「生まれて初めて海外へメッセージを送りました。」

これからも、嶺北からたくさんのメッセージが、外国の友人たちに届きますように。

(文:嶺北高校学校支援地域本部コーディネーター 鈴木大裕)

11月17日(金)

「ねえねえ、(コロッケの)かたちは?」
「なんでもいいけど、できたら丸がいいなぁ。」

小学生の質問に優しく答える嶺高生は、何だかいつもと違った雰囲気でした。
この日は嶺北高校農業コースの3年生が、吉野・本山小の生徒たちを招いて行う『さつまいもパーティー』の日。

春に一緒に植えたさつま芋を秋に一緒に収穫し、一緒に調理し、一緒に食します。商業コースの生徒も皿洗いなどで活躍しました。
メニューは、さつまいもごはんのおにぎり、さつまいものコロッケ、サラダ、さつまいもの具だくさん味噌汁、そしてかんたんスイートポテト。

「みんなつぶせた?」「じゅんばんにとりに来て下さい!」と、子どもの扱いがとても上手な高校生も。そんな高校生に小学生は思わず呼びかけます。
「せんせい、みて!」