学校案内

校長挨拶

 本校は、四国の中央部、高知県北部の嶺北地域4か町村(大川村、土佐町、本山町、大豊町)の一角をなす、「水と緑、花と文化のまち」として知られる長岡郡本山町に位置する全日制普通科の県立高校です。本山町は、「日本で最も美しい村連合」が認定した「吉延の棚田」で知られる美しい棚田が点在する町であり、江戸期土佐藩家老の野中兼山(1615~63)によって建設された水路が現在も大切にされています。また、嶺北地域4か町村は、吉野川の流れに沿って東西一列に並んでおり、白髪山県立自然公園・梶ケ森県立自然公園など豊かな自然に恵まれた地域でもあります。学校創立は昭和23年、高等学校教育に対する地域の皆様の強い願いと献身的なご尽力により、県立高知農業高等学校本山分校、同森分校が設置され、その後、昭和28年に全日制普通科、定時制農業科・被服別科を有する高知県立嶺北高等学校として独立しました。令和3年度で創立73年を迎えます。
 本校の「同居連携型中高一貫教育校」としての歴史を紐解くと、平成8年度に県教育委員会より「中高連携教育推進校」の指定を受け、当時の嶺北地域5か町村の8中学校と中高連携教育の取組を開始し、平成13年度から本山町・土佐町の2町3中学校と本校の間で「連携型中高一貫教育」という新たな枠組で中高連携教育を推進しました。平成19年度に本山町の2中学校(本山中学校、吉野中学校)が統合され、本山町立嶺北中学校として本校の敷地内に同居することとなり、土佐町立土佐町中学校とは従来からの連携教育を継続することとし、以来、2中学校1高校の間で、授業や学校行事、部活動などにおいて連携体制を構築し、中高一貫教育を推進する「同居連携型中高一貫教育校」として歩んでいます。
 この嶺北地域の唯一の高等学校である本校は、令和元年度より「『主体性』、『地域創造』、『多文化協働』の精神をもった生徒を育成することにより、生徒、保護者、地域から信頼される学校」を目指して、「文化の多様性を尊重し、他者と協働できる生徒(多文化協働の精神)」、「自ら考え、判断し、行動できる生徒(主体性の精神)」、「持続可能な地域を創造する精神をもっている生徒(地域創造の精神)」の育成に取り組んでいます。教育活動の中核に「嶺北探究」(総合的な探究の時間)を位置づけ、地域を学びのフィールドとして、生徒が主体的に他者と協働して課題解決に取り組む教育プログラムを構築し、活用応用力、地域課題解決能力、言語運用能力の育成に取り組んでいます。特に、農業コースでは、先輩から後輩へと代々、地域の農産物等を生かした商品開発の取組が受け継がれており、高知県地場産業大賞で優れた取組を実践した高校生に贈られる「次世代賞」を過去3回受賞するなど、地域と協働した生徒の取組が高く評価されています。また、農業コースと商業コースのコラボレーションとして、それぞれのコースの専門性を活かした、商品の生産から販売までを学ぶ「A×C」の取組も、令和元年度高知県産業教育生徒研究発表会で「入交多兵衛記念賞」を受賞するなど、今後ますます取組の深化・発展が期待されます。
 生徒会活動では、学校行事の企画・運営はもちろんのこと、生徒会執行部のリーダーシップのもと、全校生徒で地域貢献活動「嶺北フリューゲルス(RF)」(交通安全や防犯の活動)、「嶺北ガーディアンエンジェルズ(RGA)」(防災の活動)に取り組んでいます。また、部活動・同好会では、早明浦ダム湖や吉野川といった地域の特性を生かしてインターハイ出場を目指すカヌー部、中高連携で地域貢献活動にも積極的に取り組む吹奏楽部、地域産品を活用して商品開発に取り組むRYN部(旧「嶺北ユース・ネイバーズ」)、バドミントン部、女子バレーボール部、卓球部、写真部、放送同好会が活動しています。令和2年度からは硬式野球活動(RBC)が、同好会・部活動への昇格と高野連加盟を目指して活動をしています。
 本校は学校の魅力化の取組(嶺北高等学校魅力化プロジェクト)を推進しており、平成24年度に地域で連携して生徒数確保や学校の魅力化を進めた「プロジェクト41」という取組を基盤に、平成30年度から嶺北地域4か町村首長及び嶺北高等学校長による「嶺北高等学校魅力化の会」、さらに地域自治体や関係機関が一堂に会する「嶺北高等学校魅力化推進協議会」を立ち上げ、本校の部活動への支援、学習環境整備への支援、新入生の全国募集、公営寮や公営塾の整備などを推進する「嶺北高等学校魅力化プロジェクト」に取り組んできました。この令和3年4月には、地元自治体の本山町と土佐町のご尽力により、「れいほく教育魅力化・交流支援センター」が本校から徒歩10分のところに開所され、同センター内に地域外出身生徒の寮施設が整備されるとともに、本校の生徒ならば誰でもが通い学べる公営塾「燈心嶺」も開講されることとなりました。寮の定員は32名、令和3年4月7日付け現在の寮生徒数は27名(1年生10名[男3・女7]、2年生9名[男4・女5]、3生8名[男6・女2])です。
 最後になりますが、生徒の「主体性」を引き出し、「地域創造」と「多文化協働」の精神を育むとともに、学力と社会性の向上を目指した教育を展開することにより、生徒・保護者・地域の皆様から信頼される学校づくりに取り組んでまいりますので、皆様のご理解、ご支援を何卒よろしくお願いいたします。

高知県立嶺北高等学校長