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4.点字について
4.点字について
1 どうして「点字」が必要なのか。
『文字』は、物事を的確に理解する、考えや思いをまとめる・深める・表現する、情報を他者に正確に伝える、などに重要な役割を持っています。
『点字』は視覚に障害がある人が使う『文字』です。『点字』に対して、目で読む一般的な文字を『墨字』といいます。墨字を使うことができない視覚障害児者であっても、点字という文字を持つことは文化的な生活を送るうえで大切なことです。
2 点字の歴史
1825年フランスのパリ訓盲院の生徒だったルイ・ブライユが6点式の点字の基本形を考案してアルファベットや数字を完成させました。日本では、1890年11月1日東京盲唖学校教員、石川倉次による日本語の点字が選定会で採用されました。それを記念して、11月1日は「日本点字制定記念日」とされています。現在では、選挙の点字投票、点字による大学や司法試験の受験も認められています。
3 点字の特徴
点字は全て横書きで、凸面を左から右へ読みます。一般的に点字には漢字やひらがな、カタカナの種類はありません。そのため、文を正しく理解するために、語句の区切りで、マス空けをしています。これを「分かち書き」といいます。
4 点字の構成
点字の単位を「マス」といいます。1マスは、縦3点、横2点の6点の組み合わせで構成されています。凸面(読む面)から見て、左上の点を1の点、左中を2の点、左下を3の点と言い、同様に右上、右中、右下をそれぞれ、4の点、5の点、6の点と言います。点字器で書く場合は、右から左に書きます。マスの中の点の位置は左右逆になります。
点字の50音は、1マスの中が母音を表す部分と子音を表す部分から構成されています。ローマ字の書き方をイメージすると分かりやすいです。
母音(ア行)は1、2、4の点の組み合わせで表します。アは1の点、イは1と2の点、ウは1と4の点、エは1と2と4の点、オは2と4の点です。
子音は、3、5、6の点を組み合わせて表します。図は、母音と子音の組み合わせです。
5 点字を読み書きする用具の紹介
標準点字器
点字用紙1枚分の大きさで、板に合わせて定規で用紙を固定し点筆で書きます。小型点字器と比べて、ずれることが少なく安定して点字を書くことができます。
小型点字器
小型で持ち運びがしやすいため、メモを取るなど簡単な言葉の記入なら 標準点字器より便利に使用できます。
点字タイプライター
6点入力でタイプライターのように入力していけるため点筆で書くより疲れません。上記以外にも点字を読むための用具として点字ディスプレイや読み書きができるパソコンソフトもあります。データで管理して印刷することもできます。(写真はパーキンスブレイラ―)
6 身近な点字
私たちが生活している中で、身近な物に点字表記されているのをご存知ですか。学校の中で点字を探してみました。
エレベーター入り口のボタンには、階数表示があり、上下のボタンの左横に「うえ」、「した」と点字で書かれています。また、トイレの操作パネルにも点字が書かれています。
これらは、盲学校だから点字が書かれているのではありません。誰でも使いやすいようにユニバーサルデザインで作られているため、点字も書かれています。
量販店の商品や、公共施設などあらゆる場所で点字を見かけるようになりました。
点字だけではなく、商品を間違えないような工夫をされているものもあります。電話やリモコンのプッシュボタンの「5」、パソコンのキーの「F」「J」(凸点)、牛乳パック(他の飲料と区別するための牛乳パックの切り欠き)、シャンプー(リンスと区別するためのシャンプーのギザギザ印)、硬貨(中央の穴や硬貨側面のギザギザ印)等です。他にもどんな所に点字表記や工夫がされているか、探してみてください。
点字は、墨字が見えない児童生徒にとって触って読むことができる『文字』です。教科書を読んだり、学習のまとめ、自分の考え、連絡帳を書いたりするときなど、点字を使って学習しています。
写真は、高知県の市町村をまとめた地図の写真と、高知市、南国市をクローズアップしたものです。
【参考文献】
全国視覚障害者情報提供施設協会(2019):「初めての点訳第3版」
日本点字委員会(2018):「日本点字表記法2018版」