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7.運動部系の部活動について
7.運動部系の部活動について
視覚障害者が、チームメイト同士で協力し合ったり、見えないことを他の感覚で補ったりして活動できるように工夫された競技スポーツがいくつかありますが、本校には、フロアバレーボール部とサウンドテーブルテニス(STT)部があり、中学部以上の生徒が部活動としてスポーツを楽しんでいます。
1 フロアバレーボール
全盲や弱視の視覚に障害がある方と晴眼の方とが一緒に行うことができる球技です。
コートは6人制のバレーボールで使用するものと同じ広さで、コート中央のセンターライン上のネットの下端は、床から30cm位の高さに張るようになっています。ボールはネット下を通して、相手チームと打ち合います。
ボールは、日本フロアバレ‐ボール連盟が指定した白色のものを使用します。ネットに近い前衛に3名、後衛に3名の6名でプレイします。前衛はアイシェードを付け、全く見えない状態になります。後衛はアイシェードをつけないので、前衛の選手に言葉で指示ができます。
サーブは、審判の笛の合図の後、「1番」(番号はサーブを行う順)、と言ってから打ちます。ボールはネットの下を通して、相手コートに打ち転がします。前衛選手がサーブの場合は、コート内の仲間が声や手ばたきでコースを知らせます。サーブを打った人は、自分の守備位置に素早く戻り試合に参加します。
相手からのボールがネットの下を転がり入ってきたら、前衛の選手が、ボールの音や仲間の声を頼りに自分の体でしっかりとボールを床上で止めます。片手で止めたボールを片方の手を握った状態で打ちます。前衛の選手が、ボールの動きの方向に移動できるように、後衛の選手が、「そのままの向きで3・2・1ボール来た。」「9時の方向に打て」等とボールを止めるタイミングやボールの行方を言葉で指示します。
後衛の選手もパスやアタックを行いますが、見えているので、ボールを止めてから打つことはできません。その他にも様々なルールがありますが、見え方に関係なく楽しむことができるスポーツになっています。ローテーションは、一般のバレーボールと異なっていて、前衛は前衛で、後衛は後衛でそれぞれ行われ、前衛と後衛が入れ替わることはありません。
ボールの弾む音や仲間の声を頼りに、ボールに向かって移動し、ブロックしたり、アタックしたり、ゲームは目まぐるしく展開します。ボールの打音も「バコーン」と大きく響き、なかなかの迫力です。
前衛選手がアイシェードをしてプレイするために、音とチームワークがとても大切になります。仲間とともに一点取得を目指し、声をかけ合いチームが一丸となってプレイします。
夏には、全国盲学校フロアバレーボール大会が開催され、各地区の予選を勝ち抜いたチーム等、10チームでトーナメント戦を行います。
写真は競技の様子です。手前はサーブを打つ選手です。
2 サウンドテーブルテニス(STT)
サウンドテーブルテニス(STT)は、通常の卓球台の両サイド(エンドよりネットに向かって60㎝の長さ)とエンドに1.5cmの高さのあるフレームを取り付けた専用の卓球台で行います。また、台の中央に張られたネットの下は、ボールが通る位の高さがあいています。競技者は、アイマスクを着用して、見え方の状態を同じにしてプレイします。ラケットで打った時の音やコート上を移動するボールの音を頼りにネットの下を通過させながら打ち合う競技です。
ボールは、通常の卓球の球の中に4個の金属片が入っていて、転がると音がするようになっているので、ボールの速さ、方向、位置等、音を聞いて把握します。打球音を明確にするために、ラケットは、通常の卓球とは違い、両面にラバー等を張っていないものを使用します。
試合では、1ゲーム、3セット11点先取で行われます。主審の「プレー」の宣告の声、サーバーの「いきます。」の声、レシーバーの「はい」という一連の流れがあってから、サーブを行います。サーブは2本ずつ交代でしますが、サーブ時にボールがネットに触れるとフォルトとなり相手の得点になりますし、相手に打球音が聞こえるように打ち返さなくてはなりません。
得点は、相手のコートのエンドフレームにボールが当たると自分の得点になります。フレームに当たり台から出た場合は、アウトとなり相手の得点となります。
競技中はルールで決められた言葉以外発することができないため、会場では、ボールを打つ音とボールの転がる音だけが聞こえるという緊張感があります。ボールの音を正確に判断してラケットで打ち返す、方向、タイミングを合わせる等の練習の積み重ねが必要ですが、相手のコートに得点を入れたときの爽快感が魅力の一つで、視覚障害の程度、性別や年齢などを問わずに楽しめるスポーツです。
7月には、中国四国地区盲学校体育大会が開催され、STTもその中の競技の一つです。
写真は競技の様子です。右側の選手が、相手のコートにボールを返したところです。真ん中のネット近くの方は審判です。